The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
そう言いながら笑う三ツ谷先輩は、完全なる悪ガキの顔でありちょっと本性が見えたのかもしれない。
なんて思いながらハンバーガーを咀嚼した。
「この後、近くのゲーセン行ってみるか」
「そうですね」
「和泉はクレーンゲーム得意?」
「どうでしょう…。日に取れなかったり取れたりですから…その店のアームの緩さの具合もありますしね」
まぁゲーセンはよく溝中メンバーと行ったりしている。
アイツら何かしら遊びたがって、腕引っ張って遊びに巻き込んでくるから。
そう言えば溝中メンバーと遊びだしたのも、武道が仲良くなったからなんだよな。
馬鹿な奴らだけど一緒にいる時は気分は悪くない。
「そう言えばマイキーから聞いたんだけど」
「はい?」
「タケミっちって奴、ヨメいるんだってな?」
「ああ、居ますよ。可愛い嫁さんで、あれは将来尻に敷かれるだろうなぁとは思っていますよ。武道の嫁さん、可愛いけど強いところあるから」
「へぇ!」
あれは尻に敷かれるだろうな。
2人を見れいれば何となく分かるし、千堂達ともそんな事を話していた。
「ていうか、和泉の中学ってドコ?」
「大溝中学校ですよ」
「……大溝」
ふと三ツ谷先輩の顔に影が出来る。
学校名を言った瞬間だったので、どうしたのだのうかと思い顔を見ていれば目が合う。
目が合った瞬間微笑んだ。
あの影が落ちた表情は一瞬だけであり、すぐに元の表情に、なっている。
「どうか、しましたか?」
「いや…。大溝中学、確か知り合いがいたな〜て思ってな」
「へぇ、知り合いがいたんですね」
「おう……」
何か隠している。
だがそれ以上は聞いて欲しくなさそうだな…と気配で感じたので何も聞かずハンバーガーにまた齧り付けば、照り焼きの味が更に口の中に広がった。
そして昼食を済ませた俺たちは、遊ぶ為に近くのゲーセンに聞いてたが少し警戒心を浮かべていた。
何せゲーセンに特攻服を着た人間がチラホラ。
「やっぱゲーセンに、たまにいるんだよな」
「溜まり場にしている奴らもいますからね。まぁ、まだ少ない方か……」
特攻服姿の男たち。
そのせいなのかソイツらの周りには人がいなくて、親子連れなんて怯えた表情をしている。
だが男達は特に他の客に絡むわけでもなく、チラホラ歩いているだけだった。