The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
そう言いながら、順番がやって来てそれぞれのハンバーガーセットを頼んだ。
俺はテリタマで三ツ谷先輩がエビフィレオを頼んで、席へと向かっていれば時折視線を感じる。
(視線が煩いな)
煩わしい視線も執拗い視線も慣れている。
だがその視線に含まれている物が時折分からないので、気持ち悪くは感じていた。
「和泉、すげぇ見られてんな」
「そうですね。三ツ谷先輩といるからでしょうか」
「あ?なんでオレと一緒にいるからなんだ?」
「イケメンな人といるから、羨ましがって見てるんでしょ。大半が女の羨ましさの視線ですから」
そう笑いながら言ってストローを口に含んだ。
シュワッとコーラの炭酸が口の中で弾けて、少し喉がピリッと痛むのを感じる。
炭酸飲料は好きだがたまにくる、この喉の痛みは不愉快に感じるなと思いながら三ツ谷先輩を見ていれば何故か赤面しているではないか。
「何で赤くなってるんですか……」
「いや、ド直球でイケメンとか言われると照れんだよ」
「言われ慣れてないんですか?」
「いや、まぁ……うるせぇ幼馴染からはよく言われてんけど……」
「まぁ三ツ谷先輩イケメンですもんね。顔整ってますし、肌艶も良いですし何より家事全般出来て素敵ですし…あ、あと、むぐっ」
まだ言おうとした瞬間、ポテトを口に突っ込まれてしまい眉間に皺を寄せた。
そして三ツ谷先輩を見てみれば顔を真っ赤にさせており、ポテトを咀嚼して飲み込む。
「照れてるんですか?」
「ホント、辞めてくれ……」
「可愛いですね、三ツ谷先輩」
「あのな〜。可愛いとか男に言っても喜ばねぇからな?つーか揶揄うな」
ムスッた表情に思わず微笑みが零れる。
大人っぽいと思ったが、ちゃんと子供っぽい所もあるんだなと感じた。
というか何で俺あって2日目の人を散々からかってんだ?
そう思いながらテリタマにかぶりつけば、久しぶりのジャンクフードの味に思わず口元が緩んでしまう。
「にしても、ホント美味そうに食うよな」
「そうですか?」
「おー。あんまいねぇよ?んな美味いですって顔に出しながら食う奴。可愛いよな、和泉って」
「………もしかして、やり返そうとしてます?」
「おう。やられてばっかじゃ性にあわねぇもんだから」
「負けず嫌いですね……」