The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
ー和泉sideー
こっそりとまた自宅に戻ってきてしまった。
理由は佐野先輩から貰った写真を家に置きに来たのだが、親族と鉢合わせしないようにと裏口から入ったのだ。
その入る時と言ったら…。
泥棒になって家に侵入している気分であり、その後はなんとも言えない気分で部屋に写真を置いた。
「さてと、部屋にも出れたしこの後なにするかな…」
さてとこの後の予定が無い。
そう考えながら街を歩いていれば、スボンのポケットに入れていた携帯が揺れる。
「…メール?て、三ツ谷先輩からじゃん」
携帯にメールを届いていたのは三ツ谷先輩からの。
どうしたのだろうかと、足を止めてから端によってカチカチと音を出しながらメールを開いた。
『今からオレの学校に来てくれねぇ?』
その内容を見て少し首を傾げる。
何故に三ツ谷先輩の学校にだろうか…と思いながらも『分かりました』と送信した。
学校の場所も記載されていたのと、場所は分かったので三ツ谷先輩の学校・渋谷第二中学校へと向かう。
でも何で呼び出されたのだろうか。
「ねぇ、見て。イケメンがいる」
「ホントだ。誰か待ってるのかな」
「美形男子だぁ」
さて、渋谷第二中学校に来たのは良い。
だがさっきから出てくるのは三ツ谷先輩ではなく、知らない学生ばかりである。
(昼からの帰宅か?にしてもさっきから視線がうるせぇ…)
まぁ中学校の前に私服来た人間がいるのだ、視線がうるさくなるのも致し方ないのだろう。
そう思いながら溜息をついた。
「和泉!」
「あ、三ツ谷先輩」
「悪ぃな急に呼び出しちまって」
そう言いながら出てきたのは、制服姿で明るい笑顔を浮かべている三ツ谷先輩だった。
すると周りが少しだけザワついている。
「いえ、何かあったんですか?」
「ん?デートのお誘い」
「………はい?」
「て事で、出かけねぇ?オレ今日学校が昼まで出な、ドラケンに和泉がサボってるって聞いたから誘ったんだわ」
この人冗談が通じないのだろうか。
俺は口元を引き攣かせながらも、出かけるという事なのだならと理解した。
すると三ツ谷先輩が俺の手を取る。
力はそんな篭ってなくて、優しい手であり驚いていると引っ張られた。
「よし、行くぞ和泉」
「え?」
「まずは昼飯だ!」