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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第2章 東京卍會


疑問だった。
何故当然佐野家に連れてきたのか、何の目的があったのだろうと。

するとドラケンは『ああ…』と呟く。
そしてチラッと和泉を見下ろしてから、佐野兄妹へと目線をやる。


「もしかしたら、エマの事知ってるかなぁて思ってな」

「…幼馴染で驚きましたか?」

「驚いたわ。まさかイズミっちがエマの幼馴染なんて知らなかったからな。ていうかお前ら何時まで騒いでんだ!!学校行くぞ!!」

「サボるという選択肢は無いんですね」

「ああ?学校はちゃんと行かねぇと駄目だろ」


そういう所は真面目なのかよ。
和泉は変な生物を見るような目をしてから、少し息をついて苦笑を浮かべた。


「じゃあ俺はそろそろこの辺で」

「あ、和泉!また会おうね!絶対に」

「ん、分かってる。佐野先輩写真ありがとうございました」

「んー」


❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈

和泉が佐野家を出たあと、ドラケンとエマは急いでマイキーに制服に着替えるように言い慌てて家を出た。
だが何とかゆっくり歩いても間に合うようであり、3人の足取りはゆったり。


「ねぇエマ。和泉の事知ってんのてエマだけ?」

「えー?あ、場地も知ってるよ。ていうか和泉ね、場地とも幼馴染みたいな関係だよ」

「はぁ!?場地も知ってんのかよ!!」

「うん。小さい頃ね和泉と鳴ねぇと真にぃの3人で出かけてる時に偶然場地と会ってねー。で、場地普段鈍感なのにその時女の子って気づいた」

マイキーは面白くなさそうに拗ねた表情を浮かべた。
なんで自分だけ…と言いたげな顔をしており、エマは可笑しそうに笑う。

自業自得だ。
何回も幼い頃にエマがバイク屋に行こうと誘っても来なかったのだから。


「そう言えばエマ。イズミっちがなんで男装してるのか、オマエ知ってるか?」

「……知ってるよ」


エマは悲しげに目を細めながら、彼女が男装している理由を2人に説明しだした。
家の人間たちに強制されている理由や、本人が『約束してるから』と男装をしている事を。


「……んだその仕来り」

「なんか昔からある仕来りなんだって。だから和泉は、当主の長子だから男装してんの。鳴ねぇや真にぃがしなくても良いんだって言っても…約束があるからって辞めない」

「……ふーん」
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