• テキストサイズ

The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第2章 東京卍會


ー三人称ー


鳴海、真一郎が立て続けに亡くなった時に和泉は自分の心が壊れないよう保っておくのが精一杯だった。
そしてまた不幸が訪れて手一杯になった和泉は、エマとの交流を絶ってしまったのだ。

そんなもの言い訳でしかない。
和泉もそれは分かっていたが、エマを見ると少し罪悪感が押し寄せてしまう。


「ていうか和泉、今もウィッグ?」

「ああ、ウィッグだよ。よく分かったな」

「何となくね〜。今もちゃんと伸ばしてるの?」

「伸ばしてるよ」

「え?イズミっち、それウィッグなの?」


知らなかったマイキーが目を見開かせながら、和泉の頭上を指さす。
彼は和泉の髪の毛は地毛で男装してるからと切っているもんだと思っていた。


「和泉、昔からウィッグ付けてるんだよ〜。髪の毛降ろしているとのウィッグじゃ全然印象変わるけどね」

「ふーん」


するとマイキーはソファから立ち上がり和泉の元に近づいていく。
その様子に和泉は怪訝そうにして、ドラケンとエマは首を捻る。

何をするのか。
そう3人が思った瞬間、マイキーは和泉の頭をガシッと掴みんでからウィッグを外したのだ。


「お、長い」

「おいゴラァマイキー!!勝手に取るんじゃねぇ!!」

「えーだって気になんじゃん!」


ウィッグを外された張本人である和泉は、顔にかかった髪の毛を払う。
驚きはしたが直ぐに冷静になりながら、溜息をついてマイキーの顔を上げた。


「ホントだ、印象変わる」

「そうですか?」

「うん。可愛い」


スルッとマイキーは手を伸ばして和泉の漆黒の髪の毛を掬い、親指の腹で感触を味わうように撫でた。
そしてマイキーは瞳を細めており微笑んだかと思えば頭を撫でてきた。


「イズミっち、髪の毛下ろすと女の子だね」

「まぁ、一応女ですから……。ていうかウィッグ返してもらって良いですか?」

「えー、付けんの?」

「付けますよ」


和泉は怪訝そうにしながらも、マイキーからウィッグを受け取ると慣れた手つきで付けていった。
だがマイキーはそのウィッグを付けることが面白くないのか、唇を尖らせている。


「なんでイズミっちはさぁ、男装してんの?つまんなくない?」
/ 585ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp