The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
「和泉!?」
「え、エマ……!?」
「え?なになに??2人顔見知り??」
「知り合いも何も!!幼馴染だよ!!」
そう彼女は言葉を発すると俺に抱きつき、思わず俺は倒れそうになったが何とか耐えた。
久しぶりの再会に嬉しくも思えたが、一気に罪悪感が押し寄せる。
佐野エマ。
俺の幼馴染のような存在であり、真一郎君の腹違いの妹である。
「幼馴染!?」
「そう!和泉、ホント久しぶりじゃん!!もう!全然連絡無いから心配したんだからね!!!」
「ご、ごめん…。それにしても…エマ成長したな」
最後に会ったのは真一郎君が亡くなって数日後ぐらいだろうか。
まだ顔が幼かったのを覚えているが、今じゃ綺麗な顔立ちの大人っぽさが見える。
「和泉もじゃん。相変わらず大人びた顔してる」
「そうかな……」
「ていうかマイキー!!イズミっちって和泉の事なら最初から話しててよ!!なんでウチに教えてくんなかったの!?」
そう言えば真一郎君と腹違いの妹のエマは、佐野先輩とも兄妹になる。
佐野先輩が真一郎君の弟という事を知った時に、エマの顔は思い浮かんだがまさか会えるとは思わなかった。
すると佐野先輩と龍宮寺先輩がポカンとした表情。
エマと幼馴染のような関係なのを知らなかったようで、驚いているようだ。
「エマ、お前さイズミっちと何時会ったの?」
「え?何時だろ…4、5歳ぐらいかなぁ」
「そんな早くから!?なんでオレにも合わせてくれなかったんだよ、シンイチローは!!」
「マイキーずっとドラケン達と遊んでばっかで、バイク屋に殆ど来てなかったじゃん!!」
なんか兄妹喧嘩勃発か?
そう思いながら未だに抱きついているエマに苦笑いを浮かべていた。
「朝から騒がしい兄妹だな…たくっ」
「それよりも!!昨日聞いたけど、和泉東卍に入るの!?」
「あ…うん。その予定……」
「大丈夫なの?喧嘩強いのは知ってるけど……あんなむさ苦しい男ばかりの場所に和泉を連れていくなんて」
「おい、むさ苦しい言うな」
相変わらず元気なエマに笑みが浮かぶ。
昔と変わらず明るくて、元気で小さい時はませていると思ったけどその性格も相変わらずだ。
だけどやっぱり罪悪感が現れる。
エマの目の前から突然姿を消してしまった事を。