The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
ボソリと小さな声で龍宮寺先輩が何かを呟いていたが、俺には聞き取れなかった。
そして起き上がりながら見ていれば、何かを思いついたような表情をする。
「イズミっち、ちょっと付き合ってくれねぇ?」
「え?何処にですか?」
「着いてくれば分かる。ほら、行くぞ」
「えぇ……」
まぁ着いて行くか。
そう思いながら龍宮寺先輩の後を追いながら、行先は分からずに歩いていく。
行先ぐらい教えてくれたら良いのに。
隣をチラッと見れは三つ編みの辮髪が揺れており、左側を歩いているからあのドラゴンの刺青は見えない。
「行先は教えてくれないんですか?」
「行ってからのお楽しみってヤツだな」
「お楽しみって……はぁ」
めんどい。
溜息をついて龍宮寺先輩についていくと、住宅街に入りそしてとある家の前に到着した。
「ここですか?」
「おー。来いよ」
立派な門だこと。
俺の家とそう変わらないじゃないのか…と思いながら門を潜っていけば龍宮寺先輩はズカズカと庭へと入っていくのが見てた。
そんなズカズカ入るって事は、龍宮寺先輩の家なのだろうかと首を捻る。
すると龍宮寺先輩の足が止まった。
「マイキー!!!来たぞー!!!」
「部屋で待っててーー!!」
「ん?『マイキー』って……」
「ここ、マイキーの家なんだよ。おいマイキー!!途中イズミっちと会ったから連れてきたぞ!!!」
「えマジ!?イズミっちも部屋で待ってて!!!」
「え、あ、お邪魔します!!!」
「どうぞー!!」
家の中から佐野先輩の声がする。
そして龍宮寺先輩は『来いよ』とだけを言い、あるプレハブのような部屋に入っていった。
「ここはマイキーの部屋。元々真一郎君がバイク弄りしてた場所なんだけどな」
「真一郎君が……」
「ここ来るの初めてか?」
「…はい。バイク屋にはよく行ってましたけど」
家に来るのは初めてだった。
ここで真一郎君は過ごしていたのか…と思って中をぐるっと見渡す。
するとある特攻服のようなモノが目に付いた。
黒色に『初代東京卍會』等の金色の刺繍が施されており、あれが東卍の特攻服なのかと眺める。
するとガチャッと扉が開く音がして、振り向いてみればボサボサの髪の毛の佐野先輩がいた。
「おはよーケンチン、イズミっち」
「相変わらずひでぇ頭だな」