The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
ー翌朝ー
ピピピッという電子音で緩く目を開く。
頭上から聞こえるのは携帯で設定している目覚まし音であり、充電器の紐を引っ張りながら手繰り寄せた。
時刻は6時00分。
何時も早めに起きているのは、低血圧で寝起きがまぁまぁ悪いからである。
「……ダルい。学校サボろうかな」
ベッドから起き上がる前にそう決めた。
ダルい時に学校行っても授業内容なんて頭に入ってこないし、別に予習してるから授業受けなくても分かる。
(学校休むか。武道にはメール送っておけばいいか)
はぁ…と溜息をついて武道にメールして、学校の連絡は吉塚さんに頼むかと思いながら未だにボーとしている頭を振ってからベッドから起き上がる。
「この時間なら、まだ本家の奴ら寝てるだろうし…」
気怠い体に鞭を打ちながら、部屋を出ていき吉塚さんがいるであろう台所へと向かう。
台所はよく時代劇とかに出てくる昔ながらの台所であり、時代錯誤しそうである。
「吉塚さん」
「あら、和泉様。おはようございます、どうされました?」
「今日学校休むんで、連絡お願いしても良いですか?」
「あらあら、今日は気怠い日ですか?」
「まぁ、そうですね……」
「分かりました、連絡しておきますね。朝ごはんはどうされますか?」
「要りません。じゃあお願いします」
そうお願いしてから自室へと戻る。
吉塚さんは俺が幼い頃…生まれた時からこの家にいるお手伝いさんなのだ。
俺の事や鳴海ねぇ達を可愛がってくれていたから、俺がこの家で受けている仕打ちを何度も警察に相談しようと言ってくれたが俺が止めていた。
(もう少し寝るか……。7時まで寝て、どっかブラブラしながら過ごそう)
そう思いながら布団に潜り込む。
きっとこの後次々に本家の奴らが起きてくるから、それと鉢合わせしないようにと……。
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「ねむっ……」
あの後7時にちゃんと起きて、ゆったりとした七分袖の黒のTシャツに白のジーパンを吐いてメンズ用のショルダーバッグを持って家を出た。
男装をしているから棚にある服の殆どがメンズ服。
奥には鳴海ねぇ達に貰った女の子用の服はあるが、もうずっと着ていない。
「はぁぁ…何するかな」
修二呼んでどっかに行こうかと思ったが、またチームに勧誘されそうで辞めた。