The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
そしてふと、充電器が壊れていたのを思い出して涙を拭ってから起き上がった。
充電器無ければ携帯の充電器出来ないし、コンビニで買う為に裏口から家を出る。
玄関の他に自室から近い裏口の扉がある。
よく夜遅くに帰る時はそこを使用して家に入るのだが、たまに泥棒みたいだなと思ってしまう時はあった。
「はぁ……ん?武道??」
「なんでオレ、あそこにいたんだろ……?」
外を歩いていれば、武道の姿を見つけたのが何故かアイツは1人で首を捻りながら歩いている。
何してるのかと思い声をかけることにした。
「武道!」
「ん?あ、和泉…」
「……ん?」
声をかけたのは良いが違和感を感じる。
あの『大人の武道』という雰囲気が無くて、幼い中学生の武道という感じがした。
「何してんだ?」
「いや、なんか気がついたら橘の家の屋上にいて……」
「橘…?」
アレ、コイツ橘の事名前で呼んでいたのでは?
ふと疑問を覚えて、まさか未来の武道は元の時代に戻っているのかと考える。
確か橘の弟である直人君と握手をすればタイムリープできて、この時代の直人君と握手をすれば未来に戻ると聞いている。
「なぁ武道。お前12年後の未来で何してると思う?」
「え?ああ…モテモテの会社員とか?」
「じゃあな」
「いや、おい!何だったんだよ!!」
やっぱり未来の武道は元の時代に戻っているようだ。
そう思いながらコンビニに向かうが、なんで急に未来に戻ったのだろうかと疑問に思った。
(まだミッションは終わってないだろうに…なのになんで?何かあって未来に戻ったのか?)
何故未来に戻ったのか分からずに疑問を抱きながらも、コンビニで充電器を購入する。
そして稀咲という人物をずっと考えていた。
何処かで苗字を聞いてるのが分からない。
恐らく聞いたことはあるのだろうが、何処で聞いたのかと考えるも分からない。
「謎ばかりだな…。取り敢えず、未来の武道が戻ってきたら帰った理由聞くか」
そしてふと三ツ谷先輩の顔が思い浮かんだ。
彼も東京卍會の人間ならば、未来で犯罪組織の人間としてあるのだろうかと。
(犯罪組織の人間にはなりそうな人じゃないんだけどな……まぁ今日初めて会ったのに分かるわけないっか)
今日初めて会った人間なのに詳しく分かるわけないのだから。