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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第2章 東京卍會


「そのぐらいお易い御用だ。ていうか、毎日来ても良いんだぜ?」

「毎日は流石に申し訳ないです…」


毎日は食費とかも光熱費とかもかかるだろうし。
でも毎日ぐらい食べても良いなと思うけど、きっと暖かいモノに当てられて今からの人生に困る。


「それでは失礼します」

「ああ。じゃあな」


玄関を出ていけばもう暗くて、そろそろ掲示板にあった花火が打ち上げられるだろう。
そう思いながら1度三ツ谷先輩のアパートを見てから、ゆっくりと歩き出した。

不思議な人だった。
暖かくて下心なく接してきて、心が暖かくなってたまらなくて……。
そう考えていると携帯がバイブ音を鳴らして揺れていた。


「……もしもし?」

『待ってるぜ』

「メールしてきて、電話もしてくんのかよ」

『メールだけじゃ来るか分かんなかったからな』

「……今、向かってるから大人しく待ってろ」

『りょーかい』


楽しげに聞こえる声に眉間に皺を寄せて、俺は修二が待っているある場所へと向かった。
そこはあのファミレスなんかじゃない場所。


(ファミレスという綺麗な場所じゃないしな)


そう思うと背後で『ドンッ!』という音が聞こえて、振り向いて見れば色とりどりの花火が打ち上げられている。
赤に緑や青という花火を目を細めて見てから、また背を向けて歩き出した。


❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈

ー六本木ー


六本木に来るのは久々だ。
たまには足を向けて来るのだが、殆ど来ないので辺りを見ながら歩いていく。
そしてとある店に着くとその扉を開けた。


「いらっしゃいませ〜。て、あらぁ和泉君じゃないの」

「ママは?」

「今お客さんの所ですよ〜。修二君ならVIP室に案内してますからねぇ」

「ありがとう」


俺が入った店はホステス集まる店。
所謂キャバクラであり、話しかけてきた嬢に手を振ってから奥にあるVIP室へと向かいその扉を開けた。

このキャバクラの名前は『Demon』と言ってイギリス語で『悪魔』という意味がある。
そしてこの店のオーナーは修二に喧嘩売ってボコボコにされて半殺しにされて、今じゃ修二に頭ペコペコ。


「もう飲んでのかよ」

「飲んでるぜー」

「急に呼びやがって…。何時もとか言ってるけど、俺は久々だからな」

「あーそう言えばそうだったなぁ」

「はぁ……」
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