The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第5章 聖夜決戦
その言葉に全員が思い出す。
外には100人の黒龍の隊員達が教会を囲んでいる事を。
「テメェら全員ここから帰さねぇ!!!ここで終わりだ。オレは誰にも負けねぇぞコラぁあ!!」
礼拝堂に響き渡る声。
威圧さえ感じる声だが、マイキーは飄々としていた。
「……大寿、黒龍は強いよ。でも時代は創れねぇ。オマエは喧嘩が強えぇだけ。心がねぇ。東卍は時代を創る。黙って見とけ」
「オイ、九井!!何してる!!?兵隊はまだか!!!早くしろ!!」
大寿の命令で外に出ていた九井はある光景を見て、固まっていた。
「ボス……」
「あん!?」
「オレらの負けだ」
「はなせ乾!!」
慌てて飛び出した大寿が見たのは、理解し難い光景。
「え?」
「ん?」
彼の目の前には金の辮髪に黒のドラゴンの刺青が見えた。
「……何が起きた!?」
「お?そっちはもう終わった?」
そこに居たのは顔を血で染め、階段に腰掛けているドラケンと階段下で倒れている100人の黒龍の隊員達。
「マイキーに伝えてくんない?こっちは終わったって」
一方、そんな事も知らない礼拝堂にいる武道達は苦い表情を浮かべていた。
「タケミっち、まだ動けるな?」
「う…うん」
「あとひと踏ん張りだ。外には黒龍100人!東卍(こっち)は6人」
「オレら弐番隊であと一暴れすっか、八戒!」
「ウッス!」
「はあ……あともう少しかぁ」
誰もが気合いを入れた時だった。
彼らの目の前にドラケンが現れ、マイキー以外の全員が固まる。
「……ん?何そんな構えてんだ?」
「……へ?」
「……ドラケン……!?」
「龍宮寺先輩!?」
「マイキー!!外の黒龍全員ノシた!マイキーに負けて兵隊も失った柴大寿は戦意喪失」
「うん!」
「え?え!?」
「は!?」
理解出来ないドラケンの言葉に武道達は外へ走り出す。
「黒龍らもう死んだ!東卍の勝ちだ!」
外に飛び出した武道達は目を見開き唖然とした。
何せ黒龍100人が1人の手により全滅しているのだから。
「すげぇ!!」
「……これを一人で?」
「結局東卍のトップ二人が一番のバケモンだな」
「一人で倒すなんて……イカれてません?龍宮寺先輩」
「ヤベぇ、鳥肌立つー!!なあ!?タケミっち!」