The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第5章 聖夜決戦
まさかの発言に、その場にいた全員が目を見開かせた。
「タケミっち……」
「武道、オマエ……!」
誰もが思った。
花垣武道では大寿に勝てることはできないと。
だが武道は本気だった。
「武道、無茶だ……私も戦うから」
「オレさ、いっつも和泉に助けてもらうばかりなんだ。過去も今も未来も。でもオレだって出来る。守ってもらうばかりじゃない。それに次はオレがオマエを守る番だ」
笑みを浮かべた武道は走り出した。
(オレが変えてやる。未来を!)
立ち向かった武道はまた何度も殴られた。
気絶してもおかしいはずなのに、何度も何度も立ち上がっては大寿へと立ち向かう。
「やめろよ、タケミチ」
「まだまだぁ!!」
「オマエはっ、なんも変えれねぇんだよ!!!」
「あ"ぁあぁぁ!!!」
(何もなかったんだ。心を許せる友達も、愛する人も、ひとりぼっちだった)
殴り飛ばされた武道な八戒の目の前に倒れる。
だが武道は立ち上がった。
「……違ぇよ、八戒。“変えれねぇ”のはオマエだ」
(未来を変える。1番初めにそう誓ったのはアッくんが死んだ時。路地裏の汚ェ階段だった。あの時は1人で全部背負った気になって、不安で不安でどうしようもなかった)
『みんなを助けたいんだ』
(でも少しずつ)
『おまえすげーよ!!』
『あの2人を仲直りさせちゃうなんて!!』
(少しずつ)
『ケンチンを頼む!!!』
『タケミっちに1億円!!』
『泣き虫のヒーロー』
『オマエに託す!』
(みんなが認めてくれた)
『それでもお前は、橘と俺を救おうとしてくれるんだ。立派なヒーローじゃん』
『花垣武道!!!オレはオマエを壱番隊 隊長に命じる!!』
『ありがとうな、タケミっち』
『東卍を頼むぞ、相棒』
武道の中には色んな人の言葉がある。
山岸、マコト、ドラケン、千堂、場地。
千冬、和泉、マイキー。
色んな人の言葉が胸の中にある。
「もういいよタケミチ!!!マジで死んじまうぞ!!!」
「武道もういい!!」
「あ"ああぁ!!!」
(ここで踏ん張ったって未来はかえれないかもしれない。でも万が一があるなら)
武道の顔には大寿の拳がめり込む。
だが、ただ一つだけ違った。
武道の拳が大寿に届いたのだ。