The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第5章 聖夜決戦
「ルナマナちゃんのお土産何がいいですかね……?」
「ん〜アイツらペンギン好きだから、なんかペンギンの買えばいいと思うんだけど」
お土産コーナーは小さい子連れの夫婦や恋人達で溢れている。
皆、どのお土産を買おうかやどのお揃いの品を買おうかと、顔を綻ばせていた。
和泉はルナマナ達のお土産に、ペンギンのぬいぐるみはどうだろうかとぬいぐるみコーナーを眺めていた。
青色のペンギンとピンクのペンギンは可愛らしく、ルナマナが好きそうである。
(これ買おうかな。あ……)
ふと、キーホルダーのコーナーに視線が移る。
金色の縁で出来たイルカのキーホルダー。
まるで教会にあるステンドグラスのような細工がされ、オレンジ色と群青色があった。
(そういえば昔、真一郎君と鳴海ねぇがこの水族館でお揃いのキーホルダー買ってたなぁ)
恋人に人気だというキーホルダーを嬉しげに購入していたのを思い出し、和泉は少しだけ羨ましく思えた。
自分も三ツ谷と何かお揃いが欲しいな……と。
(でも、言い難いなあ……お揃いにしたいって。なんか、ちょっと恥ずかしい)
キーホルダーから視線を逸らし、和泉はペンギンのぬいぐるみを二つ手にすると足早にレジへと向かった。
「あれ、和泉。ぬいぐるみ買ったのか?」
「ルナちゃんとマナちゃんにと思って」
「え!?ぬいぐるみ結構いい値段しただろ?悪いな……」
「いいんですよ。2人が喜ぶ顔が見れたら。隆さんは何を買ったんですか?」
「ん?オレはなぁ」
三ツ谷は袋からイルカのイラストが描かれた鉛筆と、イルカのモコモコした素材で出来た小さなキーホルダーを取り出す。
「アイツらが使い易そうなものにした」
「2人とも喜びそうですね!」
「あとは……これ」
チャリンと音を鳴らしながら、三ツ谷は袋からキーホルダーを取り出した。
そのキーホルダーはさっき和泉が見ていた、ステンドグラスのような綺麗なイルカのキーホルダー。
「和泉とお揃いのが欲しくて、買っちまった」
「え……」
「オレンジ色がオマエので、群青色のがオレの。折角の恋人同士なんだ、お揃いの一つや二つ、欲しいもんだろ?」
にっこりと微笑みながら、三ツ谷はオレンジ色のキーホルダーを和泉の手の中に落とした。