The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
仕来りを重んじて、子供達にもそれよ強制させる本家。
仕来り関係なく伸び伸びと子供を育てる分家は昔から、仲が悪くて本家はそんな分家を蔑ろにしていた。
そしておばさんは本家から嫌がれもされたいる分家を救いたい、本家も分家も関係なく親族関係を良好にさせたい。
そう願っていたから俺が跡を継いで、それを実現すると約束したのだ。
「て…事ですね。なんかすみません、身の上話してしまって……それとつまらない話して」
「偉いな…」
「え?」
「和泉は、偉いな」
ポンッと頭に手を置かれる。
そして優しくまるで、壊さないようにみたいに撫でられて目を見開きながら三ツ谷先輩を見た。
その瞳は慈愛が満ちている。
可哀想なモノを見る目じゃなくて、慈愛と幾つしみのようなモノが入り交じっている瞳。
「普通その年で、本家とか分家とか考える奴はそういねぇよ。しかも分家の人の為にって考えて…和泉は優しいんだな。ルナマナを助けてくれたって知った時もそうだけど、凄い優しい」
「やさ、しい……」
「ん、優しい。なかなかいねぇよ?人の為にって動く人間はそういない。勇気がやっぱりいるからな」
優しい、偉い。
そんな言葉貰ったことはそんなにない。
男装をしている、家を継がなければならない…そんな話をすれば大抵貰う言葉は『可哀想』。
(褒められたのはそんなにない。真一郎君も、鳴海ねぇも『偉いでしょ?』て聞いても褒めてはくれなかった)
何時も悲しそうな顔していた。
でもこの人は違う…褒めてくれたのだ俺を。
ずっと欲しかった言葉をこの人はくれた……俺に欲しかった言葉を言ってくれた。
「頭撫でられるの好きなのか?」
「え!?」
「気づいてねぇの?さっきから、頭撫でる度に口元緩んでんだぞ」
「嘘!?」
「気づいてなかったのか…。ふはっ!なんだ…随分大人びてると思ったら、子供っぽい所もあるんだな」
グリグリと頭を撫でられる。
雑そうだけども、優しいくてこの撫でられ方は嫌いなじゃない。
「そうだ。今和泉の制服、乾燥機に入れてるから」
「あ、ありがとうございます」
「礼は要らねぇよ。ホント、礼をしたいって家に呼んだのに迷惑かけちまって悪ぃ。それと……嫌な思いさせちまって」
「それは全然…大丈夫です。というか粗末な物を見せてしまいすみません」