The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第5章 聖夜決戦
柔らかい笑みを見て、自然と頬が緩む。
好きな人とイルミネーションを見るということが、こんなにも素敵なものなんて知らなかった。
「綺麗ですね……」
どうか、未来でも隆さんとイルミネーションが見れていますように……。
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ー翌日ー
寒さで鼻がムズムズして目が覚めた。
ぼんやりとしながらも、天井を見上げて自分の家では無い事に直ぐに気がつく。
(そうだ……隆さんの家に泊まったんだ)
昨夜のイルミネーションの後、夜遅くなったからと泊まらせてもらった。
最近はよく隆さんの家に泊まっているような気がすると思いながらも、隣を見れば布団はもぬけの殻。
隆さんは起きているのか。
そう思いながら起き上がってから、驚いてしまった。
「……隆さん?」
足元にある机に隆さんの後ろ姿があった。
何か作業をしているらしく、声をかければこちらを振り返る。
「はよ。寒いな、今日も」
「おはようございます……。あの、何してるんですか?」
裁縫をしているのだろうかと思い、机に近づいて覗き込もうととしたが、それを阻止されてしまう。
手が目を覆い、見れないようにされてしまった。
「おっと、これは見せれねぇんだ」
「……見せれないんですか?」
「今、和泉のワンピース作ってるから。誕生日に贈るヤツ」
「……あ」
そういえば……と思い出す。
隆さんは私の誕生日にワンピースを贈ってくれると言ってくれていた。
見せてくれないのは、誕生日までのお楽しみということなのだろうか。
そう思いながら、隆さんの後ろへと下がった。
「見ないようにします」
「ん、ありがとうな。まぁ、和泉も起きたし作業はここまでにしとくかな。ちょっと後ろ向いててくれるか?」
「はい」
隆さんに背中を見せながら、後ろから聞こえてくる物音に耳を傾ける。
何時から起きて作業していたんだろうと思っていれば、ふわりと背後から抱きしめられた。
「た、隆さ……」
抱きしめられたかと思えば、腕を引かれて彼の足の間に座らされる。
「まだ朝飯作るには早いからな。で、聞きてぇことがあるんだけど」
「聞きたいこと……?」
「誕生日、何処に行きたいとか何がしたいとかない?」
何処に行きたい、何をしたいか。
そう聞かれて隆さんの方を振り返る。