The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第5章 聖夜決戦
1時間ぐらいが経過しただろうか。
ルナちゃんもマナちゃんがウトウトと船を漕ぎ始めた時、近くからインパルスの排気音が聞こえてきた。
「お兄ちゃんだ!!」
「帰ってきたー!」
眠たげにしていた二人だが、排気音が聞こえてきた事で目が覚めたようで、嬉しげにはしゃぎ始める。
暫くして、玄関が開く音が聞こえてきた。
ルナちゃんとマナちゃんは勢いよく飛び出し、私も玄関の方へと向かう。
「お兄ちゃん!お帰り!」
「お帰り!」
「おう、ただいま」
「おかえりなさい、隆さん」
出迎えると、隆さんは数回瞬きをしながら私を見つめる。
そこから何処と無く嬉しげに微笑んでいるので首を傾げていれば、彼はそのままルナマナちゃんの頭を優しく撫で始めた。
「ただいま。まだ寝てなかったんだな」
「お兄ちゃん、イルミネーション見に行きたい!」
「イルミネーション!」
「イルミネーション?今から?」
「2人とも行きたがってて、隆さんが帰ってくるの待ってたんですよ。まだ時間もそんなに遅くないですし、行ってみませんか?」
私も久しぶりに行ってみたかった。
前はぼんやりと眺めて通り過ぎたりするだけで、ちゃんと見ていなかったけど、久しぶりにじっくり見てみたい。
「まぁ、遅くねぇ時間だし…行ってみるか」
「「やったー!」」
「コート持ってこいよ。オレも着替えるかな……和泉も着替えろよ。着替え、貸すから」
「ありがとうございます」
次来る時は着替えを持ってこよう。
そう思いながら隆さんの部屋にお邪魔して、服を貸してもう。
お互い背を向けて着替え出した時、ふと隆さんが帰ってきた時に何故嬉しそうにしていたのか気になった。
「そういえば、隆さん」
「んー?」
「さっき帰ってきた時、なんで嬉しそうにしてたんですか?何か、良いことでもあったんですか?」
「あー……気づかれたか」
喉を鳴らしながら笑う隆さんに首を傾げる。
「帰ってきた時、和泉、出迎えてくれただろ?それがなんか良いなと思ったんだよ。なんか、和泉と結婚したらこんな感じなのかなって思っちまって」
「けっ!?」
驚いて振り向けば、隆さんは本当に嬉しげな笑みを浮かべていた。
「ん?嫌だった?」