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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第5章 聖夜決戦


柴家に近づき始めた時、八戒の顔がどんどん強ばっているのが分かった。
緊張しているのか、それとも大寿の事で恐れている事があるのか……。

そして柴家に辿り着く。
玄関前には見慣れた男が二人、立っていて、八戒が眉を寄せていた。


「青宗……九井……」

「よお、和泉。それとワカ。なんだぁ?花垣もいるじゃねぇか?それと見慣れねぇ奴が二人」

「なんで東卍がいる。ボコられてぇのか?」


青宗は殺気立ち、九井は挑発めいた目をしている。


「柴大寿君に話があってきた、三ツ谷隆だ」

「三ツ谷ぁ……?東卍の弐番隊隊長が、ボスに何の用だ?」

「八戒の件で、少しな。通してもらえるか?」


九井は顎を撫でながら舌舐りする。
何かを考え込んでいたが、しばらくするとこちらに背を向けた。


「ボスに話してくる」


そう言い残すと、九井は家の中へと消えた。
その場には青宗だけが残り、隆さんを睨みつけていたが私の方へと視線を向ける。


「和泉。首は、大丈夫か?」

「ん?ああ……大丈夫だよ」


別の意味では大丈夫じゃない。
包帯で誤魔化してはいるが、この下には隆さんが付けたキスマークだらけ。

絶対に見られてはいけない。
そしてしばらく包帯は外すことが出来ない。


「そうか……」

「オマエは?殴られたところ、平気なの?」

「あのぐらい平気だ……。和泉、黒龍に入る気になったか?」

「……それは」


返事をする前に、視界から青宗が消えた。
目の前は黒い特攻服で塞がれていて、目の前に隆さんが立っていた。


「悪いけど、オレたちの目の前で黒龍に勧誘するのは辞めてくれねぇかな」

「あん?」

「和泉は東卍の人間だ」

「テメェ……」

「おーっと、そこまでだイヌピー」


一触即発状態になった時、九井が家から出てきた。
青宗を宥めながらもこちらへと視線を向けて、ニヤリと笑う。


「中に入れよ。ボスがお待ちだ」


❈✴❈✴❈✴❈✴❈✴❈✴❈


「初めましてだね、大寿君」

「テメェがウチの弟をたぶらかしてる三ツ谷か!」

「ずいぶんな言い方っスね」

「殺すぞテメェ」


室内に通され、大寿と隆さんは向き合う形でソファに腰掛けていた。
大寿は相変わらずのふんぞり返った体制で、青筋を浮かべながら隆さんを睨みつけている。
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