The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第5章 聖夜決戦
「どうする?マイキー」
「弐番隊の事だ。三ツ谷が決めろ」
その言葉に隆さんが歩き出す。
音を立てながら、八戒の傍に寄っていき、八戒はそんな隆さんを見ることが出来ていなかった。
「タカちゃん、ゴメン。もう決めた事なんだ」
「……そんな顔すんな、八戒。……わかってっから」
短い言葉。
その言葉にどんな意味が込められているのか、分からない。
八戒は隆さんの言葉の意味を理解しているのか、分からないが立ち上がった。
「タカちゃん!!!お世話になりました!!!」
深々と頭を下げる八戒、そして彼に背を向けている隆さん。
何も変えられていない。
八戒は東卍を抜けてしまうし、このままでは本当に抗争に発展しそうな状況。
何一つ良い方向に進んでいない。
「は?何言ってんだ?オレは認めねぇよ」
「え?」
「……三ツ谷先輩」
「大寿に会わせろ!」
「え!?」
「タカちゃん……」
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「隆さん。本当に大寿と会うつもりなんですか?」
あの後、隆さんは八戒を連れて柴家へと向かった。
私も着いてくるように言われた為、一緒に向かってはいるが、かなり不安ではある。
大寿の事だ、隆さんに何するか分からない。
下手したら抗争に発展するような問題が起きてしまうかもしれない。
「ああ、会うよ」
「タカちゃん」
「あん?」
「やっぱり兄貴と会うのはよくねぇよ。どう話し合ったっていい結果生まないぜ?兄貴はクソだ」
「うっせぇなぁ。オマエは昔からそうやって一人で抱え込む。それよりよー」
チラリと隆さんは背後へと視線を向ける。
「なんで、こいつらついて来てんの?」
後ろには武道と千冬の姿。
2人は別に隆さんに『ついて来い』とは言われていない。
何故か勝手について来ていた。
「え?だってオレ当事者っスよ?」
「付き添いです。コイツアホなんで」
「テメっ、誰がアホだ。あのクソな作戦、忘れねーかんな!!」
「ハハ、結果こーなってよかったじゃん」
「どっちも阿呆だな……」
「ま……いっか」
これから黒龍の総長と会うというのに、なんとも緊張感がないものだ。
そう思いながら溜息を吐き出し、5人で柴家へと向かう。