The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第5章 聖夜決戦
「もちろん、知ってた。そうだな、佐野先輩と龍宮寺先輩と隆さん……三ツ谷先輩と八戒は知ってるよ」
「まじか……え、ちょっと待って?なんで三ツ谷君の事、名前で……」
「和泉、三ツ谷君と付き合ってんだよ」
「はぁ!?」
その後、千冬から尋問に近い質問攻めにあった。
何故男装をしているのかという質問に、洗いざらい説明して、隆さんと血のハロウィンの時には既に交際していたことも全て説明した。
終始、千冬は驚いた顔をしたり眉を寄せたりとしながらも、最後まで話を聞いていた。
「なるほどな……そんな家の事情が……。まさか、和泉が女とは。いや、まぁ、綺麗な顔してるなとは思ったけどよ……。しかも三ツ谷君のヨメとは……」
「千冬、お前さ、オレの時より驚いてるよな」
「オマエのは薄々気がついてたからな?和泉のは気付いてなかったから!」
「千冬」
私は千冬の名前を呼んだ。
ここからはとある不安がある為、質問をする。
コイツは女である私が東卍に入っていることを、どう思っているのだろうかと。
「オマエ、私が……東卍に入ってること、どう思う?」
「どうって……カッケェと思う。喧嘩は強いし、タケミっちの事傍で支え続けてたから」
千冬は、思っていないだろう。
その言葉がどれだけ、私を喜ばせているのかなんて。
コイツは信用出来る人間だ。
なんて思った時、千冬の腹から『ぐぅぅ』という音が聞こえた。
「そうだ、腹減ったんだ。そこのコンビニでちょっとカップ麺買ってくるわ」
それだけを言うと、千冬は足早にコンビニへと入っていく。
千冬の後ろ姿を見ながら、ちらりと隣を見る。
武道は何処か嬉しげにしていた。
「千冬に未来から来たってだけ話したの?」
「いや、未来で何が起きているのかも話した。稀咲に殺されたことも全部」
「そっか。それでもアイツはオマエの話を信用したんだな。……良かったな、良い相棒が出来て」
「うん」
じわりと武道の目には涙が浮かぶ。
その姿に小さく笑いながら、コンビニから戻ってきた千冬と共にベンチに座った。
「しっかし、オレも和泉も稀咲に殺さんのかー。和泉食う?」
「要らない」
「タケミっち、食う?」
「うん」
「未来の事でもムカつくわー!!」
「それは分かる」