The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
そんな風に見えるのか。
俺は少し情けなく思えてしまい、洗ったお皿を三ツ谷先輩に渡せばそのお皿を先輩が吹いていく。
そして全部の作業が終わったとひと段落した時であった。
「お兄ちゃん、コップも洗って!」
「おー。飲みかけじゃん」
「もういらないー」
マナちゃんがコップを持って駆け寄ってきていた。
そのコップのグラスにはまだ半分以上の麦茶がタプタプと、揺れいる。
なんか嫌な予感がするな。
そういう予感というのはかなり的中するものであり、マナちゃんが俺の畳の上の置いてある鞄に引っ掛かり体が前に傾いた。
「うわぁ!?」
「マナ!!」
「危なっ!!」
体が前のめりなっており、床に激突しそうであり俺と三ツ谷先輩が手を指し伸ばそうとした。
だがマナちゃんはなんとか踏ん張り転けずに住んだが、手に持っていたコップが宙を舞う。
「「「あ……」」」
宙を舞ったコップが落ちていくのがスローモーションに見えていく。
そしてパシャッという音と共に頭が冷たくなったのを感じた。
奇跡としか言い様がない。
だって宙を待ったコップが俺の頭に落ちて乗って、麦茶が髪の毛から滴り落ちていた。
「床に落ちなくて良かった……ですね」
「ご、ごめんんんん!!!和泉お兄ちゃゃゃんんん!!」
「和泉!!!怪我、怪我してねぇか!?!?」
「ああ…大丈夫ですよ。というか俺の鞄に躓いただろ?ごめんな、マナちゃん」
ポタポタと髪の毛から滴り落ちる麦茶が、床に落ちていき思わず口から『あっ』と言葉が零れる。
すると青ざめたままの三ツ谷先輩が近付いてきた。
「和泉!!着替え貸すからシャワー浴びてこい!!麦茶でもベタつくだろうからっ!」
「え、あ…良いんですか?」
「入ってくれ!ホント悪ぃ……そこ洗面所の場所が風呂場でもあるから」
申し訳なさそうに慌てる三ツ谷先輩に背中を押されて、俺は洗面所兼脱衣所でもある場所に入った。
そして俺はため息を零しながら、ずぶ濡れになったウィッグを外す。
これも洗ってドライヤーで乾かせば大丈夫。
そして麦茶で濡れた制服のカッターシャツと、胸を押さえつけて潰しているサラシを外しインナーを脱いだ。
そしてスボンも脱いでいく。
「まさかご飯まで食べて、風呂まで入るとはな……。麦茶も被るとは思わなかったし」