The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第5章 聖夜決戦
その後、私はコンビニへと下着を買いに行った。
隆さんが『ついて行こうか?』と聞いてきたが、流石に一緒に下着を買いに行くと言うのは恥ずかしさがある。
前に買いに行ってもらったけど、その時もかなりの恥ずかしさがあったのを覚えている。
シャワーを済ませ、居間へと戻れば隆さんが台所で何かをしているのが見えた。
「何か作ってるんですか?」
「ルナマナの弁当。明日、友達と公園行くから作ってくれって言われて」
「今日作るんですか?明日じゃなくて?」
「仕込みだよ。あとはもちろん明日作るけど……そういえば、和泉は普段学校の昼飯ってどうしてるんだ?」
「コンビニでパン買ってます。あとは、たまに吉塚さん……お手伝いさんが弁当を作ってくれますよ」
まず、神澤家の味が口に合わない為、あまり吉塚さんにはお弁当を作って欲しいとは頼んでいない。
だけど、吉塚さんはたまに『パンだけじゃ健康が不安』と心配してくれて弁当を持たせてくれる。
「金かかるだろ、パンって……」
「まぁ……でも、家の味が口に合わないものだから」
「同じ学校だったら、弁当作って渡せるんだけどな……」
隆さんは心底残念そうにしていた。
私も同じ学校だったらな……と思いながら、弁当の仕込みをしている隆さんの後ろ姿を眺める。
「よし、仕込みは出来たし……寝るか」
10分経ったかぐらいに、隆さんはこちらを振り返って眩い笑顔を浮かべた。
そしてこちらに来たかと思えば私へと手を差し伸ばすので、私は迷いなくその手を取る。
「ルナマナは多分寝てんな、声が聞こえねぇから」
「もう夜遅いですからね……」
気が付けば、もう夜の9時半。
色々ありすぎて時間を気にしてなかった。
隆さんは静かに障子を開けて、中に入っていき私も中に入ればルナマナちゃんは静かに眠っていた。
可愛い寝顔に口元を綻ばせながら、カーテンを開けて隣の部屋に入る。
「そういえば、首大丈夫か?包帯外してるけど」
「あ……そういえば、忘れてましたね」
シャワーを浴びる為に包帯を外していた事を忘れていて、首元をさすっていれば、隆さんが眉を寄せている事に気が付く。
包帯はやっぱりしていた方がいいと、彼の表情で気が付いて彼に貸してもらったスウェットのズボンのポケットから包帯を取り出そうとした時だった。