The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第5章 聖夜決戦
「オレ……黒龍でやることがあるんだ」
「やること?何を?」
「まぁ、それは……秘密」
八戒は誤魔化すように笑う。
だが直ぐに何処か殺意を持ったような瞳をしており、和泉は嫌な予感がした。
その嫌な予感が何なのかは、まだこの時は分かっていなかった……。
その後、八戒は武道を家まで送り届けた。
日向は日が落ちる前にと和泉が帰らて、武道はボロボロの状態で家へと入った。
武道の母は丁度おらず、和泉は救急箱を手にして武道の手当を始めた。
「鼻は……折れてないな」
「ん」
「……で、12年後の世界で何があった」
武道は和泉の言葉で目を見開かせる。
そして気まずそうにしながら、何処か泣きそうな顔をしながら和泉を見つめた。
「オレのこと、軽蔑するかも」
「しない」
「なんでそんなに即答出来るんだよぉ……」
「幼馴染だから。で、何があったか話してみなよ」
武道は泣きそうな顔になりながらも、未来で起きたことを和泉に全て話した。
話してる間、和泉は表情を変えなかったが瞳が動揺で揺らいでいたりしながらも、静かに聞いていた。
「つまり……未来でオマエは堕ちた東卍の幹部になっていた。で、稀咲もいて千冬とオマエに羽宮先輩を使ってけーすけ君を殺したのは自分だと認めた。その後、千冬は裏切り者ということで稀咲によって殺害された」
「……うん」
「千冬が殺害され後、羽宮先輩に助けられて脱出。そして羽宮先輩から龍宮寺先輩は死刑囚なのを聞いた。また、林先輩と林田先輩が殺害されていた。指示は佐野先輩から。隆さんは行方不明。佐野先輩は東卍の旧メンバーを粛清し始めた。変わったのは稀咲の暴力と黒龍の金。で、八戒が11代目の黒龍総長になっていた。そして先代の柴大寿を殺害していた……金のために」
「うん」
「で、橘は千堂によって殺害されて2人は死亡。私もその時に巻き込まれて死亡……てところか?」
「うん……。ヒナと和泉が死んだのはオレのせいなんだ」
じわりと武道の瞳に涙が溜まる。
だが、涙は溢れてしまいボロボロと零れて武道の制服を濡らしていく。
「稀咲に命令されたからって、知らなかったとはいえ……オレがアッくんに命令して殺したんだ」
「……武道」