• テキストサイズ

The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第5章 聖夜決戦


言いたくなさげな様子に違和感を覚えていれば、九井の目が武道と橘の方へと向いた。


「ん!?なんだ?テメェら」


冷や汗が浮かぶ。
恐らく、九井達がここにいて黒龍が集まっているということならばここ辺りは黒龍のシマのはず。
私はまだ九井と顔見知りだから良いけれど、武道はそうじゃない。
武道は東卍の隊長だから、めんどくさい事が起きる。


「アイツ見た事ありますよ。……東卍の壱番隊隊長の花垣です」


黒龍の一人が九井にそう告げた瞬間、九井の額に青筋が浮かんだのが見えた。


「黒龍(ウチ)のシマに東卍だぁ!?ナメてくれんじゃねぇか!!ウチのシマから生きて出れねぇぞ、テメェ」


九井の言葉に合わせるように、黒龍の隊員達が武道へとゆっくり近付いていく。
その様子を見て、私は直ぐさま武道の前へと出る。

すると九井がピクリと眉を動かす。
気に食わなさそうなそんな表情を浮かべている九井の後ろに、青宗の姿を見つけた。


「ここら一帯はオレら黒龍の縄張りだ。この辺でのさばってる他チームの奴がいたら、殺せってボスに言われてる。これがどういうことかわかるよなぁ?花垣ッ!!“死ね”ってこと!!!」

「テメェらやっちまえ」

「やめろやタケミチっちはオレのダチだぞ!」

「ヒナちゃん下がってな。コイツら女にも容赦しねーから」

「おい、九井。俺も東卍だけど、それは俺にも死ねってことか?」


辺りに殺伐とした空気が流れる。
黒龍の隊員達は殺気立っていて、今にも武道に向かっていきそう。


「いやぁ?和泉は殺さねぇよ。腐れ縁だし、なにより大事な仲間候補だ。でもなぁ若ぁ〜。いくら若の友達でもしっかり躾てもらわねぇと。ウチの奴らぁ言うこと聞かねぇから!おいテメェら。花垣は良しとして、和泉には手ぇ出すんじゃねぇぞ」

「何が仲間候補だ…」

「コイツがあの花垣?」

「噂より弱そうじゃねーか」

「オレがやって手柄立ててやるぜ」


武道だけなら良かったけれど、橘と庇いながらこの数はキツイところがある。
そう思っていると、八戒が私たちの前に庇うかのように立っていた。


「オレのツレに手ぇ出すんじゃねぇって言ってんだろ?頼むよ!」

「な、なぁ和泉。八戒って、黒龍と知り合い……なのか?」

「見た感じそうだな…」
/ 580ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp