The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
階段を登り追えると、一斉に視線が集まる。
ザワザワと騒ぎ始める周りの声に眉間に皺を寄せながらも、ゆっくりと歩き始めた。
「花垣と神澤だ」
「花垣タケミチだ」
「神澤和泉だ」
血のハロウィンでは私と武道はかなり目立っていた。
いや、その前に武道は稀咲を殴ったせいでそれなりに目立っていたような気がする。
チラリと横目で稀咲を見れば、気に食わなさそうな表情で武道を見ていた。
そして目が合うと、稀咲は眉を寄せながら私を睨むように見てくる。
そんなにも私と武道が気に入らないのだろうか……と思っていれば、龍宮寺先輩が笑いながら声をかけてきた。
「イズミっちは似合ってるけど……似合ってねぇなぁオマエ!」
「ですよね。着せられてる感ハンパねーっス」
「自分はちょっと違和感がありますけどね」
確かに武道はあまり似合っていない。
だけど、その姿は何処か真一郎君に似ている気がした。
「改めて、東京卍會へようこそ」
「ハイ!!よろしくお願いします!!」
「よろしくお願いします」
「……おう。さて、集会始まんぞ」
「ハイ」
「オマエらにとって大事な集会だ。覚悟しとけ」
龍宮寺先輩が言葉を終えるのと同時に、佐野先輩が目の前に現れた。
だが、現れたのは佐野先輩だけではなかった。
「え!?」
「な……」
そこに現れたのは芭流覇羅の修二。
そしてその後ろからは千冬も現れて、その場は混乱が起き始めた。
「芭流覇羅!?」
「え……!?」
「修二……」
「半間に……千冬……!?」
「今日の集会な荒れンぞー。“血のハロウィン”の総決算だ!」
修二とはあの時以来連絡を取っていない。
いや、正確には連絡が取れていなかったのだ。
けーすけくんのこともあったり、敵対していたせいか連絡を取ろうとは思えなかった。
「オイオイ、なんだアイツ」
「なんで東卍の集会に芭流覇羅の半間がいんだよ!?」
修二の登場に場が荒れ始める。
それもいたし方ないだろう……なにせ、敵対していた人間が集会に現れたのだから。
ふと、修二と目が合う。
すると修二はニヤリと口角を上げて笑みを浮かべていて、何処と無く嫌な予感がした。
「な、なあ……どいうことなんだろう」
横にいた武道が戸惑った様子で声をかけてきた。