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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第4章 血のハロウィン


隆さんは本当に嬉しげに微笑んでいる。
何故、嬉しいのか分からずにキョトンとしていれば彼は頬をほんのりと赤く染めながら私に笑いかける。


「それに、嫉妬してくれたんだろ?」

「……嫉妬?」

「違ぇの?」


嫉妬……という言葉が脳内で回る。
隆さんに告白している女子生徒を見てモヤモヤしていたのは、もしかして嫉妬だったのだろうか。
そういえば、このモヤモヤは初めて感じたものじゃない。

柚葉と隆さんが仲良さげにしている時、私は確かにモヤモヤしてしまっていた。
つまり、私は隆さんの事になると嫉妬深くなっているのかもしれない。


「っ……!!??」


自覚した途端、恥ずかしくなってきた。
徐々に頬に熱が集まってくるのを感じながら、隆さんから顔を背ける。

私は無自覚に嫉妬していた。
柚葉に、さっきの女子生徒に……隆さんと仲良さげにしている姿や告白している姿が嫌でたまらなかったのだ。


「無自覚だったんだな」

「な、なんでニヤケてるんですか……」

「和泉が可愛くて……はぁ……ここが学校じゃなきゃキスしてたんだけどな」

「っ!」

「てことで、家……寄っていかないか?」


家に帰れば、キスをされる。
恥ずかしいけれど嫌じゃなくて、私は静かにその場でゆっくりと頷いて見せた。

❈*❈*❈*❈

ー集会当日ー


夜になり、武蔵神社には東京卍會の隊員達が集まり始めていた。
柄の悪そうな隊員達の中、私と武道は隆さんと林先輩に連れられて階段を上がっていく。


「早くしろや、タケミっち、イズミっち」

「なんか小っ恥ずかしいっスね……」

「ちょっと違和感があります」


初めての隊服に違和感を覚える。
だけど嫌な違和感という訳では無く、着慣れないせいなのかもしれない。

黒の隊服は何処か初代黒龍を思い出させる。
こんな風の隊服を、真一郎君と鳴海ねぇが着ていた。
彼らと似た隊服を身につけることになるなんて、思ってもなかったものだ。


「さぁ、お披露目だ」


武蔵神社には既に隊長格も集まっていた。
血のハロウィンが起きてから初めての集会のせいなのか、何処と無く緊張が走っている気がする。
そんな中、龍宮寺先輩がこちらを振り返る。


「ん?」


そして私と武道を見ると、何処と無く満足そうな笑みを浮かべていた。


「……へー」
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