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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第4章 血のハロウィン


声をかけてきたのは林先輩だが、その姿に武道と共に驚愕してしまう。
ブレザーの中は柄シャツであり、何処の輩なんだという風貌である。


「もしかして三ツ谷君とぺーやん君って、同中なんスか!?」

「オウ。ついて来いよ。三ツ谷が手ぇ離せねぇみてぇだから、代わりに来てやったんだ」

「つまり、三ツ谷先輩のお使いってことですか?」

「そんなもんだな。まぁ三ツ谷(アイツ)オレらの隊長だしな」


そういえばと思い出す。
私と武道は血のハロウィンの前に、佐野先輩の指示で隆さんが隊長を務める弍番隊に配属されたことを。
そして林先輩も弍番隊であることを完全に忘れていた。

血のハロウィンでは林先輩の事、全然気にしていなかった。
ただけーすけくんのことでいっぱいいっぱいになっていたし、弍番隊の事も完全に忘れていた。


「ココだ!」


暫く歩いていれば、林先輩の足は家庭科室で止まる。


「え?家庭科室?」

「家庭科室に三ツ谷先輩が?」

「苦手なんだよなぁーアイツ」

「ん?アイツ?」

「誰のことですか?」


チラリと林先輩を見れば、何処か気まずそうな嫌そうな表情を浮かべている。
どうしたのだろうかと思っていた時、勢いよく家庭科室の扉が開いたのと同時に、鋭い声が飛んできた。


「ちょっと林君!!」

「うっ」

「また部長をたぶらかしに来たの!?部長、今忙しいから帰って!」

「いやっ、オレは……」


家庭科室から出てきたのは、同い年ぐらいの女子生徒。
ジャージを身につけ、三つ編み姿の女子生徒の罵声に林先輩はたじたじである。


「だいたい何その格好!?そんな服着てるから先生に目をつけられるんだよ!?」

「どうしたぁ?」


もしや、不良嫌いなのか?と思っていれば、聞き慣れた声が飛んできた。


「部長!!また林君が!」

「え!?三ツ谷君!!」

「三ツ谷先輩……」

「おー、タケミっち、和泉。そう怒んなって安田さん。オレがぺーやんにおつかい頼んだんだから」

「私、部長以外の不良嫌いです!」


女子生徒の後ろから出てきたのは隆さんであった。
首からメジャーを垂らしていて、彼の後ろにな女子生徒がずらりと並んで作業をしている。


「部長って……三ツ谷君?」

「おう。入れよ」

「み、三ツ谷先輩って……手芸部の部長だったんですか?」
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