The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「……あれだけ?」
「まあ、勝昭も思うところがあるんだよ」
祐介おじさんもそう呟くと『先に入っているぞ』と家の中へと入っていく。
その姿を唖然としながら見送っていると、隣で隆さんが大きなため息を吐き出しているのが聞こえた。
「キンチョーした……はぁ」
「緊張したんですか?」
「そりゃ、恋人の両親に挨拶したんだぜ?緊張ぐらいするって。まぁ、反対されたり罵倒されなくて良かったかも」
「私、てっきり何か言われるかと思ったんですけど……何も言われなかった」
「もし、何か言われたら言ってくれ。反対されたら、認めてもらうまで通うから」
「え?」
隆さんの言葉に、数回瞬きをする。
「反対されても、諦めないんですね」
すると、隆さんは私の言葉に驚いた顔をした。
それから苦笑を浮かべてから、私の頭をゆっくりと優しく撫でてくる。
「当たり前だろ?諦めるわけねぇだろ……好きな人を諦めるわけねぇ」
「隆さん……」
「もう冷えるから、家入りな。また、会おうな」
「はい。今日は、ありがとうございました」
「こちらこそ」
隆さんは私が家の中に入るまでそこにいてくれた。
そして私は家の中に入ってから、嬉しさと色んな感情が込み上げてニヤケそうになってしまう。
反対されても諦めない。
こんなにも私は、隆さんに愛されているんだということに嬉しさが込み上げてしまう。
「嬉しいなぁ……」
ーーーーーーーーー
ー数日後ー
「これが三ツ谷君の中学かー」
「俺、1回だけ来たことあんだよね」
「そうなの!?」
あれから数日後、私と武道は隆さんに呼ばれて彼の中学に来ていた。
なんの用事があるのかまでは教えてもらえなかったが、校門の前で待っていてくれとのこと。
にしても視線がうるさい。
前もそうだったが、他校の生徒がいるとやなり目立つのだろう。
校舎から出てくる生徒たちがチラチラと見てくる。
「用事があるって呼び出したくせに、遅っせぇなあ三ツ谷君」
「もう少し待ってみて、来なかったら電話するか」
「おーい、タケミっち!!イズミっち!!」
ふと、知っている声に呼ばれた。
その声に私と武道は視線だけをそちらへと向ける。
「その声は……ぺーやん君!!?ガラ悪っ」
「どこの輩……」