The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
誕生日プレゼントを渡し終えた和泉と三ツ谷はその場で2人と別れた。
その後は三ツ谷と共に色んな場所に出掛けてから、夕方近くになった頃……。
「どうする?今日は、うちで飯食ってく?」
「あ、今日はその……家で食べようと思ってるんです。その後にこれからの話し合いとかしなきゃいけなくて」
男装を強要しないと決まってから、色んな神澤家の暗黙のルールだったりするのを変えようと話し合いがある。
和泉も勿論参加しなければならないが、本当は三ツ谷の夕飯を食べたかった。
そう思いながら肩を少しだけ落とす。
「そっか、それなら仕方ねぇよな。じゃあ、家まで送るよ」
「え、いいんですか?」
「そんな可愛い姿してる和泉を一人で帰らせる訳にもいかねぇだろ?それに彼女を送り届けることぐらいさせてくれよ」
そう言いながら三ツ谷は手を強く握ってきた。
その言葉、そして手の温もりに和泉は嬉しくなりながら頷く。
そして2人は他愛のない話をしながら神澤家へと向かった。
徐々に日は傾き出し、空は薄暗くなってきて、温度も冷たくなってきている。
冬がもうすぐで訪れる知らせをまるで知らせているようだ。
「着いたな」
「隆さん、ありがとうございました。送ってくださって」
「いーよ」
「あと、ワンピース選んでくださってありがとうございました。凄く嬉しかったです」
「次は、オレが作った服、着てくれよ?」
「はい」
手を離せない。
なんとなく離れるのが惜しくて、和泉はどうしようかと悩んでしまう。
すると、三ツ谷がゆっくりと顔を近づけてきて鼻が触れ合う。
「た、かしさ……ん」
「目、瞑って」
唇が触れるか触れ合わない距離で囁かれる。
三ツ谷の息が和泉の唇に触れ、その温もりに頬が徐々に熱を持っていくのが分かった。
ゆっくりと和泉は三ツ谷の言葉に従い、瞳を閉じる。
三ツ谷は少しだけ息を飲んでから、和泉の唇に自身の唇を重ねた。
触れるだけだが、少しだけ長いキスを交わしてから、ゆっくりと唇を離す。
「和泉、顔真っ赤……」
「こんな所で、キスなんか……するからですよ」
「場所は関係ないんじゃねぇの?キス自体が恥ずかしいんだろ?」