The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
初めてマイキーと会った時、彼はどら焼きをくわえていた。
それに何度か会っている時に甘いものを食べていたりしていて、彼が甘党だということを知ることになった。
「ああ、甘いの好きだよ。とくにどら焼きとたい焼き。あの2つ食べさせてりゃ、機嫌が良いしな」
「小さい子みたいですよねぇ」
そんな話をしていれば、エマたちがいると言う店に2人は辿り着いた。
目をキョロキョロと動かしていれば、エマとマイキーの姿を見つける。
「エマ、佐野先輩」
「え、あ和泉!?」
「え、イズミっち!?どーしたの、その格好」
エマとマイキーは和泉の姿に驚愕した。
何時もなら、短髪のウィッグにメンズの服を身につけているのだが、今日はワンピース姿に長い髪を下ろしている。
その姿はまさしく『女の子』であった。
「もう男装しなくても良いからと思って」
「めっちゃ似合ってる!!え、今度その姿でウチと買い物行こーよ!」
「いいよ」
「あ、もしかして三ツ谷がいるってことはデートだった?」
「え、あ、まぁ……」
「そ、デートしてたんだよ。そうだ、エマちゃん。誕生日おめでと」
「ありがとう、三ツ谷」
ふと和泉はエマの腕にピンクのクマのぬいぐるみが抱かれているのに気が付いた。
誰かに誕生日プレゼントとして貰ったのだろうかと思いながら、和泉は紙袋をエマの頭へと乗せる。
「誕生日、おめでと」
「わっ!ありがとう!!え、開けていい?」
「良いよ」
エマは嬉しそうに紙袋を開けて、バレッタを取り出してからそれは大層喜んで大はしゃぎした。
そして直ぐに『付けていい?』と聞いてから、和泉が頷くとハーフアップにしてからバレッタを付ける。
「ありがとう、和泉!でもよく覚えてたね、ウチの誕生日」
「覚えてるに決まってるだろ。幼なじみの誕生日なのに」
「えへへ、ありがとう」
「そういえば、そのクマのぬいぐるみって」
「それね、ケンチンがさっき持ってきての」
「ドラケンが?」
エマは幸せそうにクマのぬいぐるみを抱きしめていた。
それはもう幸せそうで、和泉は少しだけ妬けてしまう。
幼なじみのこんな表情は初めて見るものだから。
「そっか、良かったな、エマ」
「うん!」
「改めて、お誕生日おめでとう、エマ」