The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
淡い桃色の髪の毛、長いまつ毛に整った顔。
美人だなというのが第一印象であり、首を傾げながらも3人の元へと近寄る。
「わりぃな、呼び出して。最初はオレが呼びたかったんだけどよ…まぁその、機械音痴なもんで」
「そういえば、言ってましたね」
隆さんは機械音痴だ。
メールも時間がかかるって照れたように話していたのを思い出しながら笑っていれば、『ここ、座れよ』と彼の隣にある椅子を叩かれる。
ちらりと女の子を見ながら椅子に腰かけると、その子はにっこりと微笑んでから私の手を急に取った。
「あんたが神澤和泉でしょ!ずっと会いたかったんだよねぇ。あの三ツ谷に彼女が出来たって聞いた時驚いたよ!美人じゃん!」
「え、あ…えっと…?」
「あ、ごめんごめん。アタシ、柴柚葉。八戒の姉」
「え、あ!八戒のお姉さん!?」
そういえば、前に姉がいるって話していたな…と思い出した。
確か名前も言っていてその時に『柚葉』って呼んでいたのも思い出す。
「柚葉がさ、和泉に会いたいって言い出してうるさかったんだよ。ね、タカちゃん」
「ああ。でもうるさかったのはお前も一緒な。オレが和泉と付き合ってるって言ったら叫んだろ」
「だって驚いたんだもん」
「あ、八戒に話したんですね…」
「知らせておいた方がいいと思ってな」
「でもほんとに驚いた。あの坊主の三ツ谷にこんな美人の彼女が出来るなんて。あ、あんたがなんで男装してるかは八戒から聞いた」
ちらりと八戒を見る。
すると『ごめん、話しちゃった』と言われてため息を吐き出す。
別にもう隠すことはしなくていいから良いんだけどと思いながら彼女の方へと視線を向ける。
「良かったらさ、アタシと仲良くしてくれないかな?柚葉って呼んでよ」
「いいよ。柚葉、俺の事は…あ、私の事は和泉って呼んでくれたらいいよ」
「和泉!これからよろしく」
「こちらこそ、柚葉」
話を聞けば柚葉は私より1つ年上らしい。
あんまり女の子の友達はいないから、柚葉と親しく出来るのは正直いって嬉しかった。
その後、色々話しながらカフェで適当に飲み物飲んだりしていれば柚葉が『あっ』と声を漏らした。
「そういえばさ、あんたもう男装しなくてもいいんでしょ?」