The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「“次の集会はオマエらに大事な話があるから、絶対ェ顔出せ”ってよ」
「集会…」
一体何があるというのだろうか。
そう思いながら悩んでいれば、携帯が鳴った。
短い震度音であり、どうやらメールが来たらしく、誰からだろうかと開いてみる。
「八戒…?」
送り主は八戒。
珍しいと思いながらもメールを開いて見れば、こう書かれていた。
『今、渋谷○○って店にいるんだけど来ない?タカちゃんもいるから!』
隆さんもいるのか…とメールをどう返信しようかと悩んだ。
別にこの後予定があるわけじゃないし、隆さんもいるなら行ってもいいかもしれない。
メールに『今から行く』とだけ送信した。
すると龍宮寺先輩が携帯を覗き込んでいて、その近さに少しだけ驚く。
「誰から?」
「八戒です。渋谷のカフェにいるみたいで、来ないかって」
「行くのか?」
「はい。隆さん…三ツ谷先輩もいるみたいなので」
「ふーん。いつの間に名前呼びになったんだか」
ニヤリと笑う龍宮寺先輩を一睨みしてから、携帯を収める。
ちらりと武道の方を見れば、何か考え事しているのか難しい表情を浮かべていた。
これで未来が良くなっているのか否か。
そう考えているのだろうと思いながら、私達は電車へと乗り込んだ。
そして渋谷駅に着いてから電車を降りた時であった。
「ん?渋谷?」
「お前、気付かずに乗ってたのかよ」
「か、考え事してたから…」
「じゃあ、俺はここで。それじゃあ、龍宮寺先輩、武道」
「おう、またなイズミっち」
「え?あれ?どっか行くの、和泉」
話聞いてなかったんだな…とため息を吐き出す。
「呼ばれたからね、行ってくる。じゃあな」
2人に別れを告げてから、八戒がメールに書いていた店へと向かう。
そこは何度か雑誌やテレビで紹介されていた店だから、場所はなんとなく分かる。
休日ということもあってか、渋谷は相変わらず人が多い。
カフェとなれば更に多いんだろうなぁ…と思いながら歩いていき、目的地が見えた時であった。
「おーい!和泉!こっちこっち!」
「あ、いた」
声をかけられて、その方向へと視線を向ければ八戒が手を振っているのが見えた。
その隣には隆さんもいて、手を挙げているのが見えたのだが…。
「ん?」
2人がいるテーブル席に知らない女の子がいた。