The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
今まで家の掟に逆らわずに縛られていた和泉が、こうして変わろうとしている。
武道はそれが嬉しくて、浮かんでいる涙を乱雑に袖で拭った。
「オレ協力する!!」
「は!?」
「オレも協力するから!幼馴染が頑張ろうとしてるんだから!」
「いやいや、お前を家の事で巻き込めねぇよ」
「オレだってお前を巻き込んでるし。それに幼馴染が頑張ろうとしてんだぞ?協力させてくれよ」
武道の言葉に和泉は唇を噛んだ。
成る可く、誰にも迷惑をかけずに反抗しようと思っていたがこの男かなり頑固な所がある。
それに元々和泉は武道のお願いを断ることが出来ないのだ。
それは勿論、和泉が武道に対してかなり甘いから。
そのせいで和泉は小さく唸りながら、どうするべきかと考えていれば後ろから足音が聞こえた。
「ならオレらも協力する」
「イズミっち、よく決断したじゃねぇか」
「協力しねぇ理由はねぇよな」
「え……え!?三ツ谷先輩と佐野先輩に龍宮寺先輩!?!?」
「三ツ谷君達!すげぇ有難いっす!!お願いします!」
「なんでお前が返事するんだよ!!」
自分ではなく武道が返事した事にツッコミながら、和泉は溜息をついた。
この三人何時から後ろに居たのだろうかと思いながらも、流石に武道以外のこの三人を巻き込めないと考えるが…。
(多分断っても、無理矢理にでも協力しそうだなぁ)
「で?どうやって反抗するんだよ」
「いや、まだ決めてないですし…。その前に協力して欲しいとは言ってないですし」
「断られても協力するけどな?」
「何故……」
何故断っても聞いてはくれないのだろうかと思いながら、悩んでいれば三ツ谷はゆっくりと近付いてくると頭を優しく撫でてきた。
「協力ぐらいさせてくれよ。ダメか?」
「毎回狡い聴き方しますよね……」
「で、ダメなのか?」
「別に良いですよ。でも変に踏み入るのは無しで」
もし踏み入れると親族に目をつけられる後で面倒になるという事で、和泉は悩んでいたが踏み入れさせなければ良いだけということ。
あとはどう協力かせるかというので和泉は悩みながらも、ゆっくりと作戦を考える事にした。
反抗するにもゆっくりと作戦を考えなきゃならない。
「取り敢えず作戦練らなきゃな」