The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「三ツ谷、詳しいんだなぁ。チャームってなに?」
「まぁな。チャームってのは魔除けとかも意味するやつだけど…まぁ簡単に言えばお守りだな」
「へぇ…。でもなんで場地さん、和泉にそのブレスレットを?」
確かに…なんで急にチャームブレスレットを?と思いながらシルバーチェーンのブレスレットを取り出してから眺めながら綺麗だなと思った。
そしてチャームブレスレットには花のような形をしたものが装飾されている。
「不思議なやつがついてんなぁ…」
「そうですね……」
「手紙、読んでみたらどうだ?」
三ツ谷先輩に促されて手紙を取り出した。
手紙にはけーすけくんの歪な字が沢山あって、思わず微笑んでしまう。
そしてゆっくりと手紙の内容を読んでいく。
「和泉へ
この手紙を読んでるって事はオフクロから手紙を預かったと思う。
本当はオレが自分で渡さなきゃいけねーんだろうけど、多分抗争のせいでオレは東卍にいねーと思うから
ちょっとはえーけど、そのちゃーむ?ブレスレットは誕生日プレゼントだ
まぁ誕生日プレゼントでもあるし前にべんきょー教えてくれた礼!
ちゃーむブレスレットについてるやつは、しーどおぶらいふってやつ
暗闇の中に光を生み出し、人生に希望をもたらすんだってよ!!
和泉
自分を偽らずに幸せに過ごせよ
お前にどうか希望が現れて光に包まれますように
圭介より」
手紙を読み終えた時には大粒の涙が零れていて、手紙にポツポツと落ちていく。
全ての文字にけーすけくんの優しさが込められていて、全てのものが俺を思っていてくれていた。
「誕生日プレゼント…かなり早いよっ……」
「イズミっち、誕生日って何時?」
「12月です…12月25日」
「クリスマスなんだな……。ははっ、場地…1ヶ月くらいはえーだろうに」
「ホントですよ…でも、出来れば……けーすけくん自身から渡して欲しかったなぁ……」
こんな形ではなくて、けーすけくんから渡して欲しかったという思いは我儘なのだろうか。
でも本当にけーすけくん本人から渡してほしかったなと、涙を流しながら手紙とプレゼントを抱きしめるようにした。
そしてチャームブレスレットを左手首に付ける。
少し冷たい感触を感じながら、チャラッと音が鳴る綺麗なチャームブレスレットを眺めた。