The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
中学生か高校生。
そのぐらいの男は恐らく『不良』という枠に入る人間なんだろうなと考えていれば、男は目を見開きながら俺を見ていると思った時である。
「オレの妹達に何してんだ!!!」
「……え」
目を見開いていたかと思えば、男は目を釣りあげて俺の胸倉を掴みあげてきた。
まぁ見るからに俺がこの子達を泣かしている様に見えるだろう。
というかこの子達のお兄さんか。
そう思いながら思わず両手を挙げて、弁解しなければと口を開こうとすると……。
「お兄ちゃん違う!!!!」
「そのお兄ちゃん、変なおじさんから守ってくたの!!!」
「あ……」
「へ……?まも、守って??」
❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈
「本当に悪かった!!!!」
「あ、いえ……」
現在俺はとある家にて正座して、目の前で土下座している男子を見て困惑していた。
そして後ろで走り回っている女の子達の声をBGMにして。
「ホント悪かった……。妹達を助けてくれて本当にありがとうな」
「いえ……」
あの後誤解が解けて俺は、女の子達2人と男子の家に連れてこられたのである。
謝罪と女の子達を助けたお礼をしたいと言われてだ。
そして今現在謝罪を受けている。
土下座までされてしまい、そんなに謝罪をされると対応に困るものだ。
「あの、そんな謝らないで大丈夫ですよ……。あれは誤解しても仕方ないでしょうし。でも小さい子達だけで遊ばせるのはどうかとは思うけど……」
「悪ぃ……。確かにそうだな…買い物してる間に遊ばせようと思って2人で行かせたのが悪かったな。ホント不注意だったわ」
誤解で胸倉掴まれたので、そのお返しと言わんばかりに嫌味を含めた言い方をしたのに男子は朗らかに笑いながら返答をしてきた。
(そんな笑いながら言われたら……気が抜けるな)
すると男子は『ホント悪ぃな』と少し恥ずかしげに笑いながら、先程から走り回っている女の子達へと視線をやる。
優しい愛情が溢れている瞳で。
「ルナマナ!あんま騒いで走り回るなよ」
「「はーい」」
優しく注意する姿を見ながら、ウチとは大違いだなと思わず感心してしまう。
でもこの人何処かおばさんに似ているなと感じた。
優しい口調と愛情が含まれている優しい瞳が似ている。
「なぁ、礼と謝罪したいんだけど…」
「ああ…別にお気になさらず」