The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
強くなる腕とその言葉に止まっていた涙がまたじわりと溢れ出していく。
そしてちっちゃい子供のように声を出してわんわんと泣いていれば、三ツ谷先輩が慰めるように背中を摩ってくれた。
そして三ツ谷先輩の体が震えていたのに気が付き、顔をゆっくり上げれば彼のシルバーパープルの瞳からは大粒の涙が流れていた。
(そうだ…三ツ谷先輩だって辛いんだ。だって、大事な仲間であり親友を失ったんだから)
辛いのは自分だけじゃない。
そう思いながら膝立ちをしてから手を伸ばすと、三ツ谷先輩を抱き締めた。
「三ツ谷先輩も…我慢しないで泣いてください。泣かないと、余計辛くなるから……」
「っ……和泉っ!」
「いっぱい泣いてください……」
胸元で抱き締めていれば、三ツ谷先輩はオレの腰に両腕を回してから小さい声で泣き出す。
それに釣られるように俺もまた泣いてしまい、夕方近くまで泣き続けた。
2005年 10月31日
東京卍會150人VS芭流覇羅300人
この類を見ない大抗争は
東京卍會の勝利
そして
死者1名
逮捕1名を出すという悲惨な結果に終わった
この抗争が後に
“血のハロウィン”と呼ばれる
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そして血のハロウィンと呼ばれる抗争が起きた翌日。
けーすけくんの葬式が行われ、東京卍會メンバーや勿論俺も参加した。
葬式場でな泣き声が響いていて、勿論その中にはけーすけくんのお母さんである涼子さんも……。
「……けーすけくん」
お焼香を上げる際に、棺桶に眠るように横たわるけーすけくんの顔を見た。
青白いけれど眠っているようで、声をかけたら起きてくれそう。
でも起きてはくれない。
そんなの知っているけど、けーすけくんはもうこの世に居ないと分かっているけれど…認めなたくない自分がいた。
「……和泉、大丈夫か?」
「……大丈夫」
「無理してない?」
「うん」
お焼香を上げて席に戻れば武道が心配そうに顔を覗いてきたので、返事をするが多分色々お見通しなんだろう。
そう思いながら席に座ろうと思えば肩を叩かれた。
「和泉」
「……涼子さんっ」
「久しぶりだねぇ。最後に会ったのはまだアンタが小学生ぐらいだったかなぁ」
「…お久しぶりです……」
「目、真っ赤になってんじゃないか…」