The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「テメェも邪魔すんのか」
「佐野先輩…けーすけくんは、羽宮一虎の死なんて望んでいない。羽宮一虎を殺したって意味がない」
「テメェも場地を語るんじゃねぇ」
その言葉を聞いて俺は怒りが湧く。
けーすけくんを語るな?その言葉にどんどんと怒りが湧いて拳を握ると俺は勢いよく佐野先輩の顔を殴り飛ばしていた。
突然殴られたせいか、油断していたせいなのか殴られた佐野先輩は体をよろめかせて、殴られた頬に触れて唖然としていた。
「ふざけるな!!!じゃあアンタは、けーすけくんが羽宮一虎を殺せと思ってるって言いたいのか!?けーすけくんを語るな!?お前が語るな!!けーすけくんは!!自分で死んだって言った!!その意味が分かないのか!!分からないなら場地を語るななんて言うな!!」
「和泉…」
自分で死んだ…その言葉の意味は誰だって分かる。
羽宮一虎が殺した訳じゃない…羽宮一虎に罪が行かないようにけーすけくんは自分で自分刺した。
佐野先輩が羽宮一虎に怒りをぶつけないようにと。
「場地を語んな?」
すると倒れていた武道が言葉を発した。
荒く息をしながら、その声には微かに怒りが篭っていて倒れたまま武道は叫んだ。
「死んじまったんだぞ場所君は!!!」
叫ぶと武道はゆっくりと起き上がり学ランを投げ飛ばす。
その拍子にあの日武蔵神社で拾った交通安全のお守りが落ちてしまった。
「なんでわかんねぇんだよ!?場地君が何の為に死んだと思ってんだよ!?2人の…東卍の為だろ!?場地君は一虎君に殺されるんじゃなくて、自決することを選んだんだ!!場地君は一虎君に負い目を感じてほしくなかったから!!」
「武道…」
「マイキー君に一虎君を許してほしかったから!みんなが大好きだからこの決断をしたんだって、なんでわかんねぇんだよ!!」
「……タケミっち。和泉…」
「くそっ!」
「なんで…分からないんですか。佐野先輩……けーすけくんの思いが…」
怒りでは涙は止まらなかった。
更に武道の言葉で涙がボロボロと落ちて、小さい子供がするように両腕で涙を拭う。
それでも涙は止まらなかった。
すると佐野先輩はゆっくりとしゃがむと、武道が落とした交通安全のお守りを拾う。
何処か驚いたようや顔をしながら。
「タケミっち。このお守りを…どこで…?」