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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第4章 血のハロウィン


色んなことを思いながらふと視線に稀咲が映り込む。
額から血を流しながら、けーすけくんを鬱陶しそうに見ている。
そして隣にいる奴と何か話していると思えば、司会は黒の揺れる髪の毛に覆われた。


「稀咲ぃ。チェックメイトだ」


けーすけくんが稀咲の喉元に鉄パイプの尖った先を向けていた。
少しでも動かしたら稀咲の喉に尖った先が刺さりそうな近さ。

そして稀咲は眉間に皺を寄せながら、けーすけくんを睨みつける。
いつの間にけーすけくんは参番隊を散らしていたのだ。


「やれるもんならやってみろ!」


だがけーすけくんは動かない。
鉄パイプは未だに稀咲の喉元に向けられたままであり、不思議に思っていた時だ。


「クソッ」

「……………え」


ボタボタと落ちていく真っ赤な血。
そしてけーすけくんの口から吐き出された血…視界が真っ赤に染まっていく。


「け………すけ、くん…?」

「ここまでか…」


そう言葉を発して直ぐにけーすけくんはその場に崩れ落ちて、また血を吐き出すと倒れた。
口からは血が流れている。


「…………け、すけくん……けーすけくん!!!」

「場地さん!!」

「けーすけくん!!けーすけくんっ!!!」


走りながら駆け寄りながら、けーすけくんを見れば時折小さく咳き込む。
だが咳き込む度に血を吐き出していて、その時に飛び散った血が手に着いた。

その瞬間嫌な記憶がフラッシュバックした。
鳴ねぇが死んだ時、おじさんが死んだ時のあの大量の血が蘇り呼吸が荒くなる。


「はっ……はっ!はっ…けー、すけくんっ!」

「稀咲テメー何をしたぁ!!」

「見てたろ?オレは何もしてねぇ」

「……はっ、はぁ…ち、血がっ……血が」


けーすけくんの背中からは血が流れていた。
その血を止めようと傷口を抑えるが、指の間から血が流れ出す。
手に生ぬるいものがいっぱい…いっぱい着いていた。


「場地さん!血……刺された?刺されたんスか!?いつ…!?」

「え!?」


刺された…。
刺されたという事ならあの時、羽宮一虎がけーすけくんを刺した時しかない。
あの時の傷でこうなっているという事?カスリ傷っていっていたのが…。


「カスリ傷じゃないじゃん!!」

「………!!一虎…一虎ぁぁ!!!」


千冬の怒りに近い叫び声が響き渡り、目線を下に向ければ座り込んだアイツがいた。
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