The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
ガコンッ!!という鈍い音と共に稀咲は、けーすけくんに鉄パイプで殴られていてそのまま吹っ飛んでいた。
そして目の前に黒髪が風に揺れている…その揺れる髪の毛を見ながら何とも言えない感情で溢れるこに気づく。
「けーすけくん…」
「場地君!!?」
「場地が稀咲をやっつけたぞ!!!」
「稀咲ぃぃ!!ツラがわかんなくなるまでブン殴ってやるぜ!!」
けーすけくんは稀咲を狙っていたのだろうか。
でもなんで?何故稀咲を狙っていたのだろうか…そう思いながらけーすけくんの背中を見るばかり。
何を考えているんだ。
何を思っているのだろうか…そう思いながら、けーすけくんを手を伸ばそうとした。
「やめろ場地!!」
「オレらはオマエを連れ戻しに来たんだぞ!!」
龍宮寺先輩と三ツ谷先輩が叫んでいると、けーすけくんは少し目を見開かせていた。
だがけーすけくんは何者かに首根っこを掴まれてから、そのまま投げ飛ばされる。
そしてかなりの力で飛ばされたせいなのか、下の方まで落ちていく。
誰が投げ飛ばしたのかと思い振り返れば稀咲の取り巻きがいた。
「ふん。……大丈夫っスか?稀咲さん、神澤」
「お前…何した!!!今回の目的はけーすけくんの奪還なんだぞ!?」
思わず胸ぐらを掴みながら叫んでいれば、男は稀咲の方へと視線をやる。
それを辿るように視線を向ければ稀咲が立ち上がっており、頭部を殴られたせいなのか頭をふらつかせていた。
「ブンブンブンブン。オレの周りを嗅ぎ回ってるハエだ、叩き殺せ」
「稀咲…オマエ…!」
「……上等だよ。稀咲!!」
ダメだ…このままではけーすけくんは殺される。
そうすれば最悪の未来が…武道が幸せになれる未来が無くなってしまう。
止めなければと思っていればけーすけくんの前に千冬が両手を伸ばして立っていた。
「千冬!」
「千冬…?なんのマネだ?」
千冬が来たことが正直助かった。
そう思いながら急いで廃車の山から降りていき、けーすけくんの元に向かう。
稀咲に絶対に近づかせない…殺させない。
「どけよ千冬ぅぅ!」
「場地さん、ダメっスよ。今ここで稀咲をヤるのはマイキー君を裏切る事です!東卍の為に稀咲をヤるなら今じゃない」
「どういう事だ…?」
千冬の言葉を解釈したら、けーすけ君は稀咲をヤる為に芭流覇羅に入ったという事。