The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「オレは邪魔なモノを排除する。知ってるかマイキー?」
ゆっくりと登って行った羽宮一虎はてっぺんに辿り着くと、鉄パイプを持ったまま両手を広げる。
まるで芭流覇羅の特攻服に描かれている天使が羽を広げているような姿。
「“人”を殺すのは“悪者”。でも“敵”を殺すのは“英雄”だ!!」
その言葉にピキッと額に青筋が浮かんだ。
敵を殺すなら英雄?なら、羽宮一虎は真一郎君を殺した自分は英雄とでも思っているのか?
しかも自分で真一郎君を殺したのに佐野先輩のせいにしている。
コイツ……巫山戯てるのか?
心にドロドロした殺意が溢れ出すのが分かり、ゆっくりと足を動かし歩き出す。
「一虎…」
「ヒャハ♡狂ってやがんな」
「しっかり押さえとけよ」
佐野先輩に鉄パイプを向けた羽宮一虎はそう指示して、近くにいた男たち2人は佐野先輩を取り押さえた。
1人は背後から、1人は足を抑えるように。
そして羽宮一虎は佐野先輩の頭を鉄パイプで殴った。
殴られた瞬間、廃車に血が飛び散り佐野先輩が白目を向いたのが見える。
「……終わったな」
「マイキーの負けだ」
何度も殴る音が聞こえる。
その瞬間ゆっくりと歩んでいた足は走り出しており、龍宮寺先輩も『マイキー!!』と叫び走り出したがそへを修二が止めていた。
勿論俺も簡単に行ける訳もなく、芭流覇羅メンバーに邪魔される。
「どけ!!オマエらに構ってる暇はないんだよ!!」
殴り蹴りと散らしていくが、また蛆虫みたいに湧いて出てくる奴らに殺意しか湧かない。
早く佐野先輩の元に辿り着いきたいのに、邪魔ばかりされる。
「オレは英雄になる為に敵を殺す」
そして羽宮一虎がまた佐野先輩を殴った。
重く鈍い音が響き渡り、また廃車に佐野先輩の血が飛び散り心と体が冷える。
鳴ねぇが死んだ時、真一郎君が死んだ時聞かされた時のあの感覚が蘇った。
「佐野先輩!!!!」
「マイキーくん!!!」
「邪魔するなっ!!どけ!!」
殴ってこようとする男の横っ面を蹴り飛ばしてから、また走り出していれば佐野先輩の頭から血がまた流れているのが見えた。
あれだけ頭を殴られていれば失神しているか、脳震盪を起こしているかもしれない。
だがゆっくりと佐野先輩の口が動いたのが見えた。、
「敵を殺す?そんな事で兄貴を殺したのか?」