The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
化け物化け物言ってたせいなのか、三ツ谷先輩が呆れたような顔をしている。
だが龍宮寺先輩は完全なる化け物だ…この場にいた30人以上は1人でなぎ倒しているのだから。
しかも30人以上倒しているのに、息切れ等は一切しておらずただ修二を見ている。
そしてその手を握り締めると地面を蹴りあげた。
「行くぞぉぉ半間ぁぁ!!」
「来いや!!ドラケン!」
地面を蹴りあげた龍宮寺先輩はそのまま修二を殴り飛ばし、修二はそのままかなり飛んでいき荷物置き場へと。
その修二の飛びようは凄まじく、その場にいた全員が目を見開かせた。
「まだまだだぞ半間ぁー」
「ハハ…ダリィ…。ガードしててこれかよ…」
やっぱり龍宮寺先輩はやばい。
あの修二を吹っ飛ばすぐらいの力持ってる人間なんているものなのか…しかも片手で。
俺でも両手使って背負い投げしたのに。
化け物以外の言葉があるだろうか…。
そう思いながら冷や汗を流していれば、視界の端に見知った顔が写った。
(……あれは、けーすけくん…)
廃車の影に隠れるように様子を伺っているけーすけ君を見つけると、無意識に俺はそちらへと走っていた。
後ろから三ツ谷先輩の声が聞こえたような気がしたが、俺の意識はもうけーすけ君にしか向いていない。
「けーすけくん…」
ポツリと呟きながら走っていれば、ふと視線を感じて顔を横に向ければ千冬が言っていた『灰谷兄弟』が見ていた。
ニヤニヤとしたその顔には嫌な気分がする…そう思いながら横を通り過ぎようとした時だ。
「見つけた」
「……え」
今の言葉どういう意味だったのだろうか。
見つけた?何を?そう思いながらけーすけくんの方が優先な為横を走りすぎた。
そしてけーすけくんの背中を見ながらその肩を掴んだ。
「っ!?」
「けーすけくん!」
「和泉……オマエ」
「やっと見つけた…」
「オマエ、抗争に参加してたのかよ」
「……弐番隊に入ってるからね」
驚いた顔をしながらもけーすけくんは眉間に皺を寄せてから視線を逸らした。
何か後悔したような顔に思わず俺も眉間に皺を寄せながらも、けーすけくんの方を掴む手に力込めてしまう。
そんな後悔したような顔をするなら、何故そちら側に行ったのだろうか。
何故敵になってしまったのかと、色んな気持ちが溢れてしまいそうだ。