The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「三ツ谷、イズミっち!大丈夫か!?」
「ウッス」
「大丈夫です」
「イズミっち、お前顔に1つも傷がねぇな…。流石だな」
「本当にな…」
「顔殴られたら痛いですし、最近殴られたばかっりなんで」
これ以上傷が増えたら後が面倒なのと、もし顔に傷が出来れば本家親族に暴走族に入ったのがバレてしまう。
本家親族は昔っから暴走族とかが嫌いだ…暴力団とは関係あったりするクセに。
「にしても…敵が多すぎる」
「確かに東卍150人に芭流覇羅300人だけでも不利なのに、相手の方が歳も上でパワーが違ぇ」
「しかも人数が多いもんだから、1人に対して大人数で押しかけてくる…」
「ああ。幹部だけが押しても下の奴らが置かれ気味だ」
そうやって話してる間にも幹部ではない隊員達は倒れていき、殴られて蹴られてとされていた。
東京卍會は新しいチームだと聞いている…そのせいなのか、喧嘩に慣れてないのもいるのかもしれない。
芭流覇羅はほとんど古株のばかり。
年上なら尚更喧嘩に慣れているし、それ相応の力も持っているから押されるのだ。
そう思っていると1人の隊員が飛ばされてきた。
「うあぁ!!やめろよ!もう無理だ!」
「うっせー!!死ねやあぁ!!」
殺意が籠った目で殴りかかろうとする芭流覇羅メンバーをすかさず龍宮寺先輩が殴り飛ばしたり。
そして倒れ込んだ隊員を庇うように立つ。
「ドラケン!!」
「しっかりしろや。パニくってたら勝てるもんも勝てねぇぞ!?」
「……くそっ、オレだってなんとかしてねぇよ。でもオレらじゃあマイキーやドラケンみたくなれねぇよ。すまねぇ…」
謝るその言葉に龍宮寺先輩は拳を握りしめた。
おそらく殆どの隊員は『勝てない、無理だ』という気持ちでいる…そのせいで押されているんだろう。
「……オマエやはオレが守る!」
「龍宮寺先輩…」
「どーしたドラケン!!早くかかってこいや!!」
「くそぉ」
「いでぇよおおお」
「もぉダメだ」
あちらこちらで倒れている隊員の言葉に眉間に皺が寄った。
もう既に気持ちで負けている…その気持ちは、言わなくても辺りに伝染している。
「やべぇな。気持ちで負けてきてる」
「………どんだけ人数がいるんだよ。蛆虫みたいに湧きやがる」
「おいおい和泉〜。蛆虫は酷ぇなぁ〜」