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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第4章 血のハロウィン


「心配性で悪ぃか」

「開き直ってる……」

「おいお前ら、抗争始まるから気ぃ引き締めろよ?」

「うす」

「ウッス!」

「はい」


ドラケンの言葉に気を引き締めながら、和泉は半間へと目線を投げながら辺りがザワついているのに気が付く。
観客達の目線はマイキーへと注がれており、ザワザワと話し声が聞こえてくる。


「マイキーだ」

「無敵のマイキー」


やはりマイキーの名前は有名なのか……と思いながら和泉はまた辺りをゆっくりと見渡す。
観客の殆どがマイキーを見てその渾名を口にしており、ざわつきは収まらない。

そのざわつきに驚いているのは和泉だけでは無かった。
武道もそのざわつきに驚き、『マイキー君はやっぱり凄いんだ』と関心した。
そしてマイキーは仕切りである反泉へと近づく。


「反泉君!まずは今日の“仕切り”、引き受けてくれてありがとうございます」

「ハン。くだらねぇ喧嘩ならオレが潰すぞぉー」

「両チームの代表者、前に!!」


1人の男がそう叫ぶと、ドラケンが歩きだしそして一虎も歩き出してから反泉の目の前に立つ。
ドラケンは目の前にいる一虎をただ見るだけだ。


「腕に自信ある奴、5対5のタイマン。それとも全員での乱戦……どっちにするぅ?」

「なぁ、八戒。普段はどっちなんだ?東京卍會は」

「基本全員での乱戦かな。たまに5対5はあるけど、殆ど総長と副総長か隊長達」

「へぇ……」


どちらにするのだろうか。
基本全員での乱戦ならば、今回もそうなるのだろうかと和泉はドラケンの背中を見守る。


「芭流覇羅の売ってきた喧嘩だ。そっちが決めろや一虎」

「あん?」

「オレらの条件は一つ!場地圭介の奪還!東卍が勝利した暁には場地を返してもらう。それだけだ!!」

「は?場地は自分でウチに来たんだぞ?返すも何もねーだろーが!!」

「場地を返してもらう!!」


ドラケンの引かない言葉に一虎の頬に青筋が浮かぶ。
ピリついた空気と殺意が籠った目に和泉は、前日に会った時と同じだなと眉間に皺を寄せる。
まるで場地を取られたくないような空気感であり、一虎が腕を前に出しのが見えた。


「テメー…上等じゃねーかよ」


始まる前に争う空気を感じた反泉は眉をピクッと動かしてから、2人の間に割って入った。
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