The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「主役共のぉ!!!登場だぁ!!!」
反泉の言葉に続くように歓声が上がる。
そして左右の出入口から東京卍會と芭流覇羅が入ってるきて、武道はその場の空気に飲み込まれそうになった。
8・3抗争とは違う大きな抗争……それは武道と和泉にとっては初めてのものだ。
「東京卍會!芭流覇羅!」
向かい合わせになる2つのチーム。
和泉は芭流覇羅の方にいる半間を見てからグッ……と眉間に皺を寄せた。
そして隣には一虎もいるが場地の姿はなく、『何処にいるんだ?』と辺りを見渡す。
だが場地の姿が見つけられなかった。
何処かに潜んでいるのだろうか……そう思っていると、ふと三ツ谷と目が合う。
(そういえば……今朝、三ツ谷先輩に言われたな……)
『和泉、抗争中はオレの傍にいろ』
『三ツ谷先輩の……傍にですか?』
『もし、一虎にまた狙われたら……もし和泉k何かあったらオレは自分で自分を恨んじまうから』
『……分かりました。でもオレは守られる気はないですよ?自分の身は自分で守るし……三ツ谷先輩の事だって守りたい。守られるだけじゃ嫌なんです』
『……かっこいいな、和泉は』
心配性な三ツ谷の言葉に和泉は頷いて、抗争中は彼の傍に居ることを約束した。
そして今、こちらを見てくる三ツ谷の目は何処と無く心配そうだ。
(心配しなくても……傍にいるのに)
溜息をついて苦笑いしながら、小さく頷けば三ツ谷はホッとしたような表情になった。
あの襲われた事件以来どうも心配性になったようだ。
「オレらも行くぞ。タケミっち、和泉」
「……うん!」
「悪い、2人とも。オレ三ツ谷先輩に言われて、三ツ谷先輩の傍にいる事になってるから」
「三ツ谷君の?」
「どうもこの怪我以来、心配性になったみたいで」
「ああ……成程な。無茶するなよ!!」
「分かってるって。お前も大概心配性だな、武道」
笑いながら和泉は駆け足で三ツ谷の元へと向かう。
そんな幼馴染を見ながら武道は、嫌な予感と共に心配な気持ちであふれていた。
その嫌な予感は一体なんなのかは分からないまま……。
「和泉、怪我大丈夫か?」
「平気ですって……朝も言ってたじゃないですか」
「タカちゃんったら心配性だなぁ」