The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
まさかの言葉に戸惑い気味になる隊員を気にせずに、マイキーはその場に座る。
そして困惑した顔の和泉を見てから小さく笑うものだから、和泉は尚更困惑した。
「オレは場地(ダチ)とは戦えねぇ」
「佐野先輩……」
その言葉に驚いた顔をするもの、嬉しげに笑う者と分かれていく。
勿論和泉も最初は驚いた顔をしていたがら直ぐに穏やかな笑みを浮かべた。
裏切り者という事で、場地はどうなるのだろうかと不安になったがマイキーの言葉で安心した。
これで気にせずに場地を抗争中にでも連れ戻せると、和泉は笑みを浮かべる。
「それがオレの出した答えだ!!!みんな力を貸してくれ!!!明日、オレらは芭流覇羅をぶっ潰して場地を東卍に連れ戻す!!それが東卍の決戦だ!!!」
周りがマイキーの言葉に咆哮を上げる。
その咆哮は何処までも響き渡り、和泉は隣にいる武道と千冬へと目線を向けた。
「これで何も心配なく、けーすけくんを連れ戻せるな」
「おう!」
「ああ!」
そんな中で稀咲は一人感動していた。
彼の目はただマイキーだけしか写っておらず、マイキーだけを見つめている。
そしてマイキーは咆哮をあげる隊員達を見ながら苦笑を浮かべていた。
「これた…オレが欲しかったのは…」
「ゴメン、ケンチン。オレ総長失格かな?」
「この歓声が答えじゃね?」
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ー決戦当日ー
そして決戦日。
廃車場には、東京卍會と芭流覇羅以外の男達が集まっており早めに来ていた武道と和泉は驚いた顔をしながら辺りを見渡していた。
何せその男達の人数はかなりのもの。
「え!?何、この人達!?」
「観客か?」
「ああ、みんなギャラリーだよ。東卍VS芭流覇羅、今日の抗争の勝者が東京のトップに1歩近づく。東京中の顔役みてぇな不良がみんな注目してんだよ」
「確かに…ヤバそうな奴ばっかだ」
男達はあちこち好きな場所に座ったり、立っていたりとしており武道はゴクリと生唾を飲む。
そして和泉は辺りを見ながら、そういえば鳴海達の抗争にもギャラリーがいたなと思い出していた。
「例えばあそこの2人組み」
「ん?」
「あ?」
「灰谷兄弟。一声かけりゃあ百人以上が集まる六本木のカリスマ兄弟」