The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
何処に行くのだろう……と和泉と武道が顔を見あった時メールの届く音が響いた。
その音の元は和泉の携帯であり、誰からのメールだと眉間に皺を寄せた彼女はメールを確認してから更に皺を寄せる。
「どうした?」
「悪ぃ……千冬。急用出来たから行けないわ」
「急用……?」
「ちょっと行ってくる。後で何があったか聞かせてくれ」
「あ、おい!和泉!」
千冬の声に反応せずに和泉は歩き出した。
メールにはとある場所に来いというだけの内容であり、その送り主は半間。
芭流覇羅のアジトで会った以来音沙汰が無かった人間からよメール。
なんとなく甘い考えではあるが、もしかしたら半間に話せば場地を芭流覇羅から脱退させれるかもしれない。
そう思いながら和泉はメールで指定された、一通りが少なく落書きされたトンネルに来た。
「意外と早く来たなぁ♡和泉」
「なんだよ、呼び出して……」
薄暗いトンネルの中には半間がニタニタと笑いながら立っており、和泉の問いには答えずに腕を伸ばすと彼女の額に巻かれた包帯に触れた。
「痛そうだなぁ。ごめんな?和泉、うちの一虎がこんな事しちまって。ほら一虎ぁ、謝れよ?お前が暴走したんだから」
「チッ……」
「謝る気ゼロか!あはっ!!」
「羽宮一虎……」
半間の後ろから出てきた一虎の殺意が籠った目は今にも和泉を殺したげである。
そんな目を見ながら和泉は無表情で見ながらも、半間へと目線を戻した。
笑みを浮かべているその表情になんとなく、和泉は苛立ちを浮かべる。
その苛立ちを察したのか半間は笑みを深くしながら、その手で和泉の頬を撫でた。
「で、なんの用で呼び出した?」
「最後に言っておこうと思ってなぁ♡芭流覇羅に来ないかって」
「行かない」
「即答かよ」
「絶対に芭流覇羅にな行かない。俺は、東卍として芭流覇羅を潰す……そして絶対にけーすけくんを連れ戻すからな」
その言葉は和泉の羽宮一虎への宣戦布告でもあった。
場地は絶対に連れ戻す、お前らの元には置かないという強い意志でもある。
「殺したいなら……抗争の時にでも殺すんだな。羽宮一虎」
「チッ」
「て事で、お前の思い取りにはならないからな。修二」