The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
珍しく否定しない言葉にドラケンは不意をつかれた気分になりながらも、確かにアレは嫉妬してもおかしくはない。
幼馴染だからどうしても距離は近くなるだろうし、武道と和泉の仲はどうも特別のようだ。
三ツ谷が嫉妬してもおかしくはない…と思いながら、ドラケンはマイキーに邪魔されながら歩いている和泉と武道を見ながら溜息をついた。
「嫉妬しても仕方ねぇんだろうけどな……。オレ、嫉妬深いかもしれねぇ」
「あ?もしかして今自覚した?」
「は?」
「お前、イズミっちと付き合う前から嫉妬丸出しだったぜ」
「……まじかぁ」
「無自覚だったのかよ」
その言葉に三ツ谷は言葉が詰まる。
確かに今のような嫉妬心は前から感じていたのは今思い出したが、まさか無自覚に嫉妬していたとは。
いや…無自覚では無い時もあった。
(ドラケンが緊急搬送されたあの日…。マイキーに抱き締められてる和泉を見た時、すげぇ吐きそうなぐらいに嫉妬しちまってた……)
付き合う前から?まじかよ……と三ツ谷は片手で自分の顔を覆いながら深く深く息を吐いてから目の前で笑う和泉に、また溜息をついた。
「束縛はすんなよ〜。束縛する男は嫌われるからな」
「分かってる……。ただ、付き合う前から嫉妬しちまってる自分に引いた」
「それは何とも言えねぇわ」
「エマちゃん…」
「名前を出すんじゃねぇ」
一方和泉は、周りを警戒しながらも本当に襲われるのだろうかと疑問を抱いていた。
もし襲うならば1人になる時を狙うかもしれない…そう思っている時だ。
目の前から眩しいライトが光る。
思わずその光に目がくらみそうになりながらも、よくよく見ればバイクのライトだ。
「バイク……?」
「おいおい、ここ歩道だぞ…」
「なんだ…アイツら?」
「まさか……」
目の前にいるバイクに乗った男達の手にはバットが握られているのを目にした瞬間、武道はもしかしてアイツらが和泉を襲う奴らではと冷や汗を流した。
(あれ?でも……不意をついて襲うなら普通前から来ないよな……)
和泉が前から来た奴らに襲われる筈がない。
普通に分かるだろうし……なら、もしかしてと考えながら武道は後ろを振り向いた瞬間目を見開かせた。
「和泉!!!」