The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「賑やかですよ。オレ、すげぇここで可愛がってもらってたんですよ」
「確かにすげぇ可愛がってもらってたな!」
「へへへ」
笑いながらも武道は眉間には皺が寄っていく。
油断出来ない…もし今日じゃ無かったとしても他の日に狙われるかもしれない。
息を静かに飲みながらも武道は募る緊張感に吐き気さえ覚えてしまった。
だが絶対に守らなければ…。
武道は穏やかに笑う和泉を見ながら、絶対に守らなければと決意した。
「じゃ、おじさん達今日はありがとうね」
「こっちこそ、来てくれてありがとうな。また来るんだぞ?タケも…三ツ谷君達も」
「うん」
「はい」
「今日はありがとうございました」
「お邪魔しました」
「ありがとうございました」
「うむ。それと和泉……何かあれば絶対にオレやここの人間を頼ってくれ。助けて欲しい時はちゃんと言ってくれ」
「……うん、ありがとうね。祐介おじさん」
笑みを浮かべながら、和泉は歩き出し三ツ谷達はそれを追い掛ける形で歩き出した。
既に夜遅い為、人通りは少なくなっているがまだ車は走っている。
「あ、和泉。先行くなよ」
「ん?」
「狙われてんの忘れてんのかよ…」
「ああ……忘れてた」
「頼むから忘れないで??」
「ごめんって…」
コソコソと話ながら和泉は本気で忘れていた事に苦笑いを浮かべた。
分家の食事会が楽しかったせいでか、自分がこれから襲われるかもしれない事を忘れてしまったのだ。
そんなコソコソと会話している2人を見ながら、三ツ谷は少しだけモヤモヤとしていた。
幼馴染だから仲がいいのは知っているし、どうしても距離が近くなるのは分かる。
(でも…なんか嫌だな)
心に小さな嫉妬心が芽吹く。
だが2人は男女の関係でもないただの『幼馴染』なのだ…嫉妬したって意味はないかもしれないのに。
「タケミっち〜!!イズミっち!!何2人でコソコソ喋ってんのー!!」
「うおっ!?マイキー君!?」
「ちょ!?佐野先輩急に飛びつかないでください!」
マイキーは2人だけでコソコソ話しているのがつまらなかったのか、走っていき飛びついていた。
そんな姿を見ていた三ツ谷の隣には苦笑を浮かべているドラケンの姿。
「タケミっちに嫉妬でもしてんのか?」
「…まぁな」