The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
元々、和泉の叔母が亡くなった際に祐介が彼女を引き取ると話をしたのである。
本家のやり方では和泉はこの先辛い人生を歩むかもしれないと……だが本家はそれを勿論拒絶した。
「その気持ちだけで充分だよ…」
「……そういえば、三ツ谷君いい子ねぇ。どこで引っ捕まえてきたの?」
「言い方ぁ……」
「でも貴方が好きな人が出来て嬉しいわ」
和泉は照れくさそうにそっぽを向き、由香はクスクスと笑いながら広間へと向かった。
縁側で一人になった和泉は、その内本家の人間に紹介するべきなのだろうかと悩んだ。
悩みながらも、そろそろ帰っても良い時間帯だなと携帯で時間を確認した和泉は広間へと向かった。
すると酒を飲みすぎて酔いつぶれている大人たちがゴロゴロと転がっているではないか。
「もう!!あんた達は!」
「酔いつぶれて情けない!!」
「まぁまぁ…和泉が彼氏を連れてきたのが悲しいの半分嬉しいが半分で酔いつぶれたんだよ」
「ごめんねぇ、三ツ谷君達。迷惑かけちゃって」
「いえいえ…全然」
「あーあー…」
ふと三ツ谷は小さく笑みを浮かべている和泉を見て、目を見開かせた。
見た事ない幼さがある笑顔を浮かべており、あんな風にも笑えるんだなと不思議な気分になる。
「三ツ谷先輩達、そろそろ帰りましょう」
話しかけてきた和泉の表情にはもう幼さが無かった。
でも表情は穏やかで、三ツ谷はその笑顔が綺麗だなと思いながら頷いて立ち上がる。
「武道〜、帰るぞ!」
「んー!」
「また来いよー!」
「また皆で来なさいね」
「うん…また、来るよ」
賑やかなこの場所にまた来るよ。
和泉は穏やかな笑顔を浮かべながら、和泉は上着を手にしてから玄関へと向かった。
(そういえば…和泉が襲われるの今日だってドラケン君言ってたけど何も起きなかった。もしかして帰り?帰りに襲われたりするのか……?)
考えながら武道は眉間に皺を寄せた。
帰り道に襲われるのか、それか自分達がいるから襲える好きが無くて襲わないかもしれない。
「でも、油断出来ない……」
「あ?どうしたタケミっち」
「あ、いや何でも無いっす」
「にしてもイズミっちの分家の親族って賑やかだな」