The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
そして最後に三ツ谷先輩。
もう三ツ谷先輩は緊張した顔のまま、ガチガチに固まっていてそれを見た俺まで緊張してしまう。
なんて説明したらいいのか分からないなぁ…。
「えっと、最後に……お、お付き合いさせてもらってる三ツ谷隆先輩…です」
「三ツ谷隆です!和泉さんとはお付き合いさせてもらっています」
シーンと静まる広間。
そして何故か武道は口を抑えながら『はわわわ!!』と言っている。
何か誰か言って欲しいなと思いながら恥ずかしさで顔がどんどん俯いていく。
「ついに和泉に彼氏が出来ちまったよぉぉぉぉ」
「あらあら!イケメンな彼氏さんが出来たわね!」
「あらぁ〜和泉ちゃんもそんな年頃なのねぇ」
「複雑だぁぁぁぁ」
「いや、分かる、分かるっすよ。オレもなんか複雑だったから」
「タケも分かるかぁぁ!!」
「おいおい、タケミっち。なんで複雑なんだよ……」
色んな反応の中、俺は嬉しくてつい笑みが零れてしまった。
だって誰も反対なんてしなくて、色んな事を言いながらも嬉しそうにしてくれてるから。
きっと本家の人は…両親は喜んではくれないだろうから。
「はぁぁ…落ち着いた。そっか、君が和泉が選んだ子か。いい子そうじゃないか」
「いい人だよ…すごく」
俺には勿体ないぐらいにすごくいい人。
でも大事な人達に紹介出来て良かったなとホッとしていれば、三ツ谷先輩が少し顔を赤くさせているのが見えた。
そして釣られるように俺も赤くなりそうで思わずそっぽを向く。
おじさん達は騒いでいるまま。
こんな風に紹介する日が来るとは思わなかった……それに、なんだか紹介の仕方が鳴ねぇが真一郎君を紹介した日と似ている気がした。
「ほらほら、立ってないでこっち来い!」
「佐野君おいで!君、総長だって?話色々聞かせてくれよ!」
「龍宮寺君もこちらにいらっしゃい。イケメンだけど、まだ幼さがあって可愛いわねぇ」
「よーし!三ツ谷君こっちおいで、おじさんと話をしようじゃないか」
「祐介おじさん、変な絡み方しないでよー」
「タケもおいで、ほら和泉も」
自己紹介が終わると、先輩達はそれぞれ呼ばれて晩酌に付き合わされていく。
そして俺は武道と一緒に座ってから机に並べられた寿司などを食べ始めた。