The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「…出来上がってんね」
「相変わらずうるさいでしょう?久しぶりに和泉が来るもんだからはしゃいでね」
「酒飲む口実にしてない?」
「半分あるわね」
顔を真っ赤にさせて酔っ払いっている分家親族に笑いしか出なかった。
するとおじさん達はさっきまで和気藹々としていたが、三ツ谷先輩達を見てから目を見開かせる。
「タケは分かるけど…後ろの子達は誰だ?」
「和泉が紹介したいって子達だ……その内、その内あるとは思っていたが……心の準備が出来てないっっ!!無理!!泣く!!」
「祐介おじさん……。ま、いいや紹介しよ」
長ったらしくなるのもアレだしと、俺は三ツ谷先輩の隣に立ってから3人を見る。
最初は佐野先輩から紹介しようかと思いながら、なんて紹介しようと悩む。
ああ、でも佐野先輩が真一郎君の弟だって言えば喜ぶだろうなおじさん達。
あと3人が暴走族だっていう話もすれば。
「まずこちら、佐野万次郎先輩。真一郎君の弟で暴走族の総長やってる」
「真一郎君の弟!?」
「しかも総長か!!チビなのにすげぇな!!」
「言われたら真一郎君に似てるわね」
「そうか…真一郎君の弟かぁ」
「え、イズミっち。その…全員、シンイチローの事知ってんの?」
「知ってますよ。だって真一郎君、何回かここに来てますから」
よくここに来てはおじさん達に揉みくちゃにされていたのを覚えている。
その度に俺と鳴ねぇは爆笑していたし、楽しかったなぁと思いながら笑った。
「それで、こちらは龍宮寺堅先輩。佐野先輩のチームの副総長」
「副総長か!」
「ゴツイな!」
「デカイな!!」
「その刺青いいね!!カッコイイわぁ〜」
「なんか、すげぇ褒められた」
「こんな感じですから」
本家と違って緩いし面白いのだ。
ここに来たら嫌なことを忘れることが出来るから、ここにずっも居たいけど本家親族がうるさいんだよなぁ。
本家と分家は昔から仲が悪くて、お互いバチバチに敵視している状態。
厳しい家庭な本家と、緩い分家。
お互いそれが許せないようで昔から争っているし、特に父さんと分家当主の祐介おじさんは凄い…兎に角昔から凄いのだ。
(会えば直ぐに言い争いだもんな…犬猿の仲ってやつだろうなぁ。見てて面白いんだけどね…普段堅苦しい父さんが面白くなるから)